島の暮らしを体験してみる!
ホームステイで楽しむ伊江島観光

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島の一般家庭に泊まって、まるで家族の一員のように過ごしながら島の暮らしを体験する民泊。これまでは修学旅行など団体向けのプログラムとして行われていたが、2名以上なら誰でも利用できるメニューがあると聞いて、妻と一緒に伊江島へ足を運んだ。「暮らすような旅」とはよく聞くが、本当に島暮らしができる旅なんてなかなかない体験だ。

伊江島に到着!港でステイ先のお母さんとご対面

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沖縄本島北部、本部港からフェリーで約30分。本部半島からは目と鼻の先にあり、日帰りでも気軽に行ける伊江島。港にて、今回民泊でお世話になる並里美和子さんとご挨拶。民宿に泊まったことはあるけれど、宿泊施設ではない民家に泊まるのは初めて。どんな旅になるのか楽しみだ。早速並里家へ行くと、玄関先に「いめんしょり」と書かれた置物があった。「伊江島の言葉で、いらっしゃいという意味なんですよ」と並里さん。「めんそーれ」は聞いたことがあるけれど、沖縄本島と離島との言葉の違いもおもしろい。

ひと息ついたら、酪農体験

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「遠くから来られて、疲れたでしょう」と並里さんご夫妻。お茶をいただきながら、しばしユンタク(おしゃべり)タイム。普段はご主人が酪農を担当し、民泊のお客さんケアは奥様の美和子さんが担当されているのだとか。修学旅行の民泊受け入れ歴は、なんと13年になるという。お二人共通の趣味は、自家菜園と潮干狩り。「季節によってアーサ(ヒトエグサ)やモズクなどの海藻を採ったり、貝を採りに行ったりしています。魚は、釣りをする親戚が持ってきてくれるんですよ。民泊で来られるお客さんにいつでも出せるように、魚介類は冷凍保存しています。食事はなるべく、島で採れたものをと思うんだけど、相手は自然。いつも100%島産のものを出すのは難しいんですけどね」とのこと。島のお母さんのあたたかいおもてなしの心に触れて、気持ちが和む。「一休みしたら、牧草を刈りに行きましょうか」とご主人。牧草を刈るなんて初めての経験。はりきって出かけた。

伊江牛にご対面 しばし牧場主気分を味わう

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伊江島は牧畜が盛ん。主に7~8カ月の仔牛を出荷するのだとか。肉質の良さは折り紙つきで引く手あまた。島を出た仔牛たちは全国各地で、「神戸牛」「松阪牛」などのブランド牛に育つ。並里家には現在14頭の牛がおり、毎日牧草を与えたり、牛舎を掃除したりと世話が欠かせないそうだ。酪農体験はまず牧草刈りから。ご主人が機械で刈った草を、フォークと呼ばれる鋤の一種で束ねるようにまとめて、軽トラの荷台へ。その後牛小屋へ運び、エサ箱に入れる。のんびり草を食む牛たちの後ろには、生まれて数ヶ月の仔牛たちも。扇風機の風が当たる場所がたまり場になるのだという。居心地のいい場所を、ちゃんと知っているんだな。

家庭菜園で今日のおかずを収穫

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牛のお世話をした後は、沖縄で「アタイグヮー」と呼ばれる庭先の家庭菜園へ。並里家の庭にはバナナやドラゴンフルーツなどの果物から、ゴーヤーなどの野菜、ハーブまでいろいろなものが植えられているという。驚いたことに鉢植えのパイナップルまであった。「伊江島の土はパインに合わないんですよ。だから、本島から運んだ土を鉢に入れて、育ててみたの」なるほど、そういうこともあるのか。観光だけでは見えてこない島の話は興味深い。「うちの畑はほとんど牧草地で、野菜やフルーツは家で食べる分をちょっと育てるだけなんですよ。野菜もその時期その時期で収穫できるものが違ってね、夏はゴーヤーやオクラ、モロヘイヤなんかがよく採れます。秋はコマツナやカボチャ、ニンジン、玉ねぎ、いろいろできますよ」と美和子さん。思わず「庭先の家庭菜園で採れた新鮮な野菜を毎日食べれるなんて、究極のゼイタクですねぇ」という言葉が口から出た。いいなぁ、島の暮らし。

みんなで一緒に食事の支度

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広々としたキッチンで、みんなで一緒に食事の支度をすることに。食材のほとんどは伊江島産。「料理と言っても特別なものは何もないんですよ。普段食べているものばかり」と美和子さん。それこそ最高のごちそうじゃないですか。まずはニガナの白和え。刻んだニガナを、手でつぶした島豆腐やツナ、自家製みそと和えるだけ。みその風味がニガナの苦味を和らげて、絶妙な大人の味!島で釣れたアイゴのバター焼きは、こんがりバターのいい香りがする。「今日はお二人が来ると思って、おかずを作っておきましたよ」と美和子さん。冷蔵庫からは次々と常備菜ふうの料理が出てくる。「これはモーウイというウリを梅カツオで和えたもの」「モーウイ?へえ、初めて聞きました。さっぱりしてておいしそう。」「食欲がない時も食べられるし、簡単にできますよ。梅干しを叩いて、カツオ節と一緒に和えるだけ」「いいですね、帰ったらキュウリで作ってみようかな。」まるで親戚の家に来たみたいに、妻と美和子さんの会話もはずむ。

みんなで「クヮッチーシャービラ

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テーブルにはすごい品数の料理が並ぶ!「伊江島ではいただきますのことを、クヮッチーシャービラと言うんですよ」と美和子さん。「じゃあ、お父さんのご発声で『クヮッチーシャービラ』って言ってみましょうか」「ご発声って、乾杯みたいじゃない?」笑いながらも、みんなでクヮッチーシャービラ!冬瓜の味噌煮も初めて食べる味だし、シャコガイやサザエにアーサをトッピングした味噌汁はダシが最高!美しい海に囲まれた離島ならではの海の幸は、感動的なおいしさ。マーナという野菜は初めて食べる味だった。ニガナとは違うほろ苦さが美味しい。「和名はハナカブラといって、菜の花の仲間なんですよ。伊江島では道端なんかにも自生していて、島の人はそれを採ってきて食べるんです。」料理の一品一品から、自然の恵みを大切にいただく暮らしが見えてくるようだ。ちなみに、「ごちそうさまでした」は伊江島では「クヮッチーシャービタン」というそうだ。夕食後はお茶をいただきながら島の話を聞いた。家族になった気がするというと言い過ぎかもしれないけど、そんな錯覚をしてしまうほどあたたかな団欒。並里さんご夫妻のお話も魅力的で、例えば4月のゆり祭りはぜひ見てみたいと思った。どこか懐かしくて、でもとても新鮮な民泊。またいつか戻ってきたいと思うほど、心から安らぐ居心地の良い1日を過ごすことができた。

レンタカ―で島内観光に出発

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2日目はレンタカーで観光へ。まずは並里さんご夫婦イチオシの湧出(わじぃー)に向かう。海岸なのに真水の湧き水が湧出している不思議なスポットで、景勝地としても人気なのだそう。ここには島内21ヵ所にある島の歴史、伝説を伝える歌詞が刻まれた歌碑のひとつ「こてい節」もある。「こてい」は「特牛」と書き、大きな牛のことだとか。歌の内容としては「大西の大牛は浜辺が好きだが、われわれ島の若者は美童(美少女のこと)を花として好む」という意味のようだ。昔の人がどのような気持ちでこの和歌を歌っていたのか、想像しながら歌碑巡りをするのもまた興味深い。

伊江島のシンボルで見る絶景

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続いて伊江島のシンボル、城山(ぐすくやま)へ。地元では伊江島タッチューと呼ぶのだそう。高さ172メートル。石段を頑張って登った先の頂上は、島を360度見渡せる絶景で、青い海の向こうには沖縄本島までが望める。登った疲れも吹き飛ぶその壮大な景色に言葉を失った。

伊江島産サトウキビのラム酒に出会う

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伊江島ならではのお土産を買おうと、伊江島物産センターへ。100%伊江島のサトウキビから作られるラム酒「イエラムサンタマリア」に興味津々。サトウキビ由来の甘い芳醇な香りと味わいが魅力とのこと。レンタカーのため試飲はできなかったが、ホワイトラムの「イエラムサンタマリアクリスタル」と、オーク樽で熟成させた「イエラムサンタマリアゴールド」の2種類をゲットした。お店の人によると、イエラムサンタマリアを作っている伊江島蒸留所は、事前予約すれば工場見学もできるとか。

帰りの港で感激のサプライズ

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フェリーの時間が近づき、最後に伊江ビーチに立ち寄った。沖縄本島から日帰りで海水浴に来る人も多いという。離島ならではの青く美しい海を眺めていると、ついつい時の流れを忘れてしまう。もっとゆっくりと眺めていたかったが、帰りのフェリーの時間は間もなくだ。港に着くと、なんと並里さんが見送りに来てくれていた!なんて嬉しいことだろう。思いがけないサプライズに心があたたまる。伊江島に来てよかった。大切にしたい思い出を胸にしまい、島を後にした。

Information 基本情報

伊江島 大人の民泊

住所 沖縄県国頭郡伊江村字川平519-3
TEL 0980-49-3539
備考 体験型民泊 1泊2食付き 1人9,800円(税別)~ 最低催行人数 2人
※体験プログラムの内容によって料金が異なります。なお、体験プログラムの内容につきましては観光協会にお問合せください。
※宿泊のみを目的とした部屋貸しの民泊とは異なりますので、ご了承ください。
※宿泊施設ではないため、タオルやアメニティグッズなどはご持参をお願いしております。
※食べ物や動物にアレルギーのある方はお申し出ください。
※アルコールに関しては基本的に持ち込みとなっております。場合によっては禁酒禁煙の家庭もあります。
※伊江島には診療所しかありません。持病のある方はご自分の薬持参でお願いします。
問い合わせ先 一般社団法人伊江島観光協会 民泊事務所
URL http://www.iekanko.jp/

伊江島蒸留所

住所 沖縄県国頭郡伊江村東江前1627-3
TEL 0980-49-2885
備考 営業時間 9時〜17時
定休日 土・日・祝
工場見学無料 ※要事前予約
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