甘くて栄養価たっぷりの高品質ニンジンは
キャロットアイランド津堅島の宝物!

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沖縄本島中部の勝連半島にある平敷屋港から津堅島へは、約4Kmととても近い。今回の旅の目的地である津堅島は、甘くて栄養価が高いニンジンの産地としても知られ、キャロットアイランドとも呼ばれている。そんな津堅島のニンジンの収穫期は、1月から5月。
ということで、そんなニンジンの魅力と味を堪能すべく訪ねてみることにした。

フェリーでキャロットアイランドへ渡ろう!

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津堅島へ渡るには、まず沖縄本島中部にある勝連半島の先端、平敷屋港へ行く。
津堅島を隅々まで回ったり、ついでに勝連半島のドライブも楽しみたいので、 今回はレンタカーごと島へ渡ることに。そこで、高速船ではなく、車を載せられる「フェリーくがに」を予約し、約30分の船旅を楽しむことにした。ちなみに車と一緒に船に乗る場合は、早めの事前予約が必要だ。係員の指示に従いゆっくりと車ごと船へ乗り込む。「フェリーくがに」の船体には、ニンジンのキャラクターが描かれていて、キャロットアイランドへの期待が高まる。港を離れると、陸からは見られなかった勝連半島の岬先端の風景も見え、とても面白い。船旅はあっという間。いよいよ津堅島に上陸!

絵本の世界から飛びだしてきたような
メルヘンチックなニンジン畑にびっくり!

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上陸したら島一番の高台にあるニンジン展望台を目指す。ニンジン展望台は津堅島灯台と並んでいて、まるで背比べをしているみたい。巨大ニンジンの内部へ潜入し、螺旋階段をぐるぐると上がってみると、内部に配置されている椅子も全てニンジン型。この展望台からは島の景色が一望でき、青い海の向こうの沖縄本島を見渡すこともできる。おお、向こうに広がる新緑色の畑は、もしかしてニンジン畑かな?

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早速、集落を抜け畑へ向うと、清々しい空気が漂い、一面にニンジン畑が広がった。きれいに並ぶ柔らかなニンジンの葉を触ってみると、繊細でふわふわ。畑地のあちらこちらには、農作業に汗する島の方々の姿。聞けば、島の8割が畑で、内6割がニンジン畑だという。沖縄の小さな離島にこれほどのニンジン畑が広がっているなんて!

津堅島のニンジン畑にクローズアップ!

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今回、収穫体験をさせていただく南原 俊史(みなみはら としふみ)さんに、なぜ津堅島ではこんなにニンジン栽培が行なわれているのかを伺った。すると、津堅島の土は島尻マージと呼ばれる赤土で、水はけがよいことから、昔は津堅大根を育てていたが、農地を一斉に整備し、この島尻マージとの相性がぴったりな根菜、ニンジンの栽培を始めたのだそう。

南原さんは、ニンジンひと筋35年のキャリアを持つ大ベテラン。そして工夫の達人でもあり、たとえば畑に海の砂をいれたり、収穫期をずらすために暑い時期から種を撒いたりと独自の方法でニンジンと向き合っている。 その畑へ足を踏み込ませていただくと、ふわっと足が土に沈んだ。素足で入ったら気持ちいいだろうなと思えるほどに、極め細やかでふんわりとした土だった。成長するニンジンが傷つかぬよう、丁寧に小石は取り除かれている。だからこそ、南原さんの畑の土はあんなにもふわふわなのだと実感。 しかも津堅島のニンジン畑では、農薬は使われていないのだとか。

平らな津堅島には、常に海からの潮風が吹きぬける。ミネラルが含まれた海水のミストを被ることによって甘く高品質なニンジンが育つのだという。つまりニンジンづくりに適した土壌と、島をやわらかに包む潮風のミネラル分、そして島の方々の手間を惜しまぬ丁寧な世話が、このブランドニンジンを生み出しているのだ!

ニンジンの収穫は間引きから始まった!

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先にご紹介したニンジン畑の写真をじっと見ると、畝(うね)と畝の間に、小さなニンジンがたくさん抜き置かれているのが分かる。私が訪ねたこの時期は、間引き作業の最盛期だったのだ。どこの畑でも皆さん、この間引き作業にひたすら汗を流していた。これなら私にも手伝えるかもと思ったのは、素人の浅はかな考え。いざ、抜こうとするも・・・悩む。大いに悩む。激しく悩む。どれを抜いたらいいのやら。どれも美味しそうに見える。けれど島の方々は、健やかにまっすぐ育ちそうなニンジンだけを残し、周りの小さな株を素早く抜いていく。長年の経験で培った判断力に脱帽。すると南原さんが、「これ、おみやげに持って行きなさい」と、抜いたばかりの小さなニンジンたちを袋いっぱいに詰めてくださった。おいしそう!

次なるステップは、待ってましたの収穫作業!

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午後は南原さんが少し早めに種を撒き育ててきた畑で、ニンジン収穫をひと足先に手伝わせていただくことに。カギのように折れ曲がった形の道具を土に挿し、てこの原理で土に潜っているニンジンを傷つけることなく引き抜く。南原さんは黙々とリズミカルにスポッスポッと引き抜きながら、畝を前進。けれどいざニンジンを抜こうとすると、思いの外、簡単には抜けない。なかなか上手に抜くことができない私の様子を見て「それでは葉を切り落としなさい」と優しく言ってくれる南原さん。次々に抜かれるニンジンの葉を包丁で切り落とす係をすることに。なんとか無事に葉を切り落とし終わったら、今度は袋に詰めトラックに積み込み、収穫作業終了。

島に残る助け合いの精神

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島の女性に間引き作業を教えていただいていた時に、小さなニンジンもとっても甘くて美味しいという話になった。彼女は、そのニンジンをきれいに集め、島の漁師さんへ差し上げることがあるという。するととても喜んでくれ、そのお返しに海の幸をいただくと微笑みながら言った。
そんな島ならではのエピソードを通して、助け合いの精神が根付いているこの島の方々の温かさに触れた気がした。

絶品!期間限定 ニンジンしりしり定食。

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津堅島には、「お食事処 津堅みやらび」という食堂がある。そしてこちらのお店には、季節限定で「ニンジンしりしり定食」が登場する。ちなみにニンジンしりしりとは、スライサーなどで千切りにしたニンジンを炒めた沖縄の定番郷土料理。メインディッシュがニンジンしりしりというのは、ちょっぴり意外。ところがひと口食べてみて、納得! 今まで幾度も口にしてきたけど、こんな美味しいニンジンしりしりは、初めてだった。ふっわふわな仕上がり。ツナと卵と炒めただけに見えるのだけど、なんでこんなに美味しいのだろう。ニンジン特有の青い香りも全くない。店長の東松根 信子(ひがしまつね のぶこ)さんに、「細かくしりしりしたあとでお水に晒したのですか?」と伺ったら、「しませんよ」とのお返事。そして続けて、「津堅島のニンジンでしか作らないから、ニンジンしりしり定食があるのは2月~6月の津堅島のニンジンがある時だけなんですよ」と。さすが旬の津堅ニンジン! この美味しさを、ぜひ!

~おススメにんじん土産~
濃厚ニンジンドレッシングと
やさしい甘さのもっちりニンジンロールケーキをお土産に。

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津堅土産に、島育ちの生のニンジンを買い求めたいと思ったのだけれども、津堅島のニンジンはその美味しさゆえ、人気が高く中々手に入らないので、津堅ニンジンをたっぷりと使ったお土産を紹介!

イチオシのニンジン土産は、「お食事処津堅みやらび」で買うことができる「にんじんドレッシング 津堅島の台所から」。津堅産のニンジン、穀物酢などで作られた爽やかなドレッシングで、サラダはもちろんのこと、冷奴に添えたりと、和の食材との相性も抜群。食卓での活躍間違いなしの1本だ。

もうひとつ、津堅島から船で戻ってきたのちドライブがてら寄り道したいのが、沖縄本島はうるま市で、地域密着型ケーキ屋さんとして地元の方々に愛されている「プティ・フール」。ここでは、津堅島のニンジンの甘さを活かしたロールケーキ、「津堅にんじんロール」が買えるのだ。ふんわりとしたクリーム、アクセントとなる白餡、もっちりとした生地、この全てに津堅島ニンジンの美味しさが凝縮されたパウダーが練りこまれ、上品な優しい味わいに仕上げられている。

この二つのお土産を買って帰れば、帰宅後の食卓は鮮やかなニンジン色のお洒落なテーブルに! 美しい緑のニンジン畑と、太陽の光でほんわりあたたかだった畑の土。実際に島を訪ねたからこそ知ることができた、島の方々の愛情がたっぷりとそそがれているニンジン畑の思い出と共に、お土産を味わおう。
※津堅にんじんロールは、以下のプティ・フール 3店舗で、通年お買い求めいただけます。

Information 基本情報

お食事処 津堅みやらび

住所 沖縄県うるま市勝連津堅32津堅構造改善センター
TEL 098-978-7568
備考 休み:不定休
営業時間:11時~14時

プティ・フール 石川店

住所 沖縄県うるま市石川東山1-22-20
TEL 098-965-4702
備考 休み:年中無休
営業時間:9時~21時

プティ・フール 安慶名店

住所 沖縄県うるま市安慶名2-1-14
TEL 098-972-3575
備考 休み:年中無休(但し正月などの行事のときに休むことあり)
営業時間:9時~21時

プティ・フール 江洲店

住所 沖縄県うるま市江洲542-9
TEL 098-973-5784
備考 休み:年中無休(但し正月などの行事のときに休むことあり)
営業時間:10時~20時
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