日本最南端の「日本で最も美しい村」へ行こう

心に響く原風景への旅多良間島

琉球風水と島民の心に守られた、豊かな文化と自然をたたえた神聖な島

島をぐるりと取り巻く「トゥブリ」と呼ばれる小道。防風・防潮として植えられたフクギに守られた御嶽や集落……。
優しい島人が自然と伝統と共に暮らす多良間島には昔ながらの原風景があります。
農業や畜産を中心に生活を営んできた島が持つ穏やかな空気感は誰もの心に眠る懐かしさを呼び覚ましてくれるでしょう。

典型的な「風水集落」と言われる多良間島ってどんなところ?

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今年、村制100年を迎えた多良間村は、多良間島と水納島の2島から成っています。主島は多良間島で、ほとんどの村民はこちらに居住しています。集落は島の北の方にあるひとつだけ。昔は自然井戸を中心に、いくつもの集落に分かれていましたが、頻発する台風から島や人、作物を守るために、一か所に集められました。そして、集落や島全体を守るように植えられたフクギなどの樹木は、いまや立派な防潮・防風林として機能しています。「琉球風水」に則ってつくられた集落は、碁盤の目のような道と集落をとりまく抱護林などが特徴で、多良間島はまさに典型的な「風水集落」といわれています。

フランスの素朴で美しい村を厳選し紹介する「フランスで最も美しい村」活動。それを手本に設立されたのが、NPO法人「日本で最も美しい村」連合です。「失ったら二度と取り戻せない」農山村の美しい景観や文化を守るため、日本の風土に合った独自の審査を設けて加盟村を募っています。
多良間島は沖縄県で唯一、それらの厳しい基準をクリアし、39番目の「日本で最も美しい村」として認定されています。

コンパクトな集落はあいさつの通り道

日中の集落はとても静か。

車ですれ違うたび、軽く手を挙げたり会釈をしたり。そんな光景が日常的なのも多良間ならでは。子供たちは少し恥ずかしそうに、小さな声で応えます。ひとつしかない集落の道は碁盤の目になっているため、すれ違う率が高いのも納得ですが、ふだんは静かな道が、仕事や学校が終わる時間帯は、のんびり走る車であいさつ渋滞のようになっています。
一度でも多良間を訪れたことのある人はみな口を揃えて「多良間の人はいい人だよ」と言います。そんなところも島のよさなのかもしれません。

全てのトゥブリは海へ通ずる多良間島内MAP

地図にたくさん書かれているトゥブリって何?

集落から海へと続く生活路を、島の言葉で「トゥブリ」といいます。現在の集落の形ができる前から存在していたため、島内をぐるりと囲むように、海へ向かって放射状に延びています。その数は、全部で43とも60とも言われています。なかには今はもう使われていない獣道のようになったトゥブリもありますが、よく探すと道だった形跡が見て取れます。
トゥブリにはすべて名前がつけられており、現存する立て札が島の至るところで見られます。一周道路を散策しながらトゥブリを探して、悠久の昔から受け継がれてきた島人の生活に触れてみるのもロマンがありますね。

前泊港の「マエドゥマリ゜トゥブリ」

フクギ並木の先にある塩川御嶽
海へ降りていくトゥブリ。一周道路で分断されていますが、島の中心部に向かうほうにも道が続いています
多良間島でいちばん標高の高い場所にあるのが「八重山遠見台」
その名のとおり、石垣島が臨めます。周辺を往来する船を見張ったり、天気を記録したりしていました。
塩川御嶽(シュガーウタキ)を守るために植林された、約600メートルも続く長い長いフクギの並木。静謐な心でゆっくり歩くと、神聖な気が感じられます

もっと知りたい多良間島

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伝統文化 Culture

八月踊り

国指定の重要無形文化財で、旧暦の8月8日から10日に開催されることから、「八月踊り」と呼ばれる多良間島の豊年祭です。島内を字仲筋と字塩川2つの「字(あざ)」に分け、祭りを一日ずつ仕切ります。1日目は字仲筋が踊り、字塩川民を招待。2日目は逆に字塩川が踊り、字仲筋民を招待します。そして最終日は両字による奉納舞踊が行われるという独特のスタイルが特徴です。

多良間村は琉球王朝との交流が盛んだったため、島で創作された「民俗踊り」に加え、首里からもたらされた「古典踊り」や「組踊り」まで、さまざまな踊りが演じられます。今年の開催日は9月12日から14日まで。芸術の秋の始まりは、琉球王国時代から受け継がれている伝統芸能に触れてみるのもいいかもしれませんね。

ピンダアース大会

「ピンダ」とは、多良間の言葉でヤギという意味です。2010年から始まった「ピンダアース大会」は、闘牛ならぬ闘ヤギのこと。体の大きい外来種のヤギが後ろ足で立ち上がり、勢いよく角を振り下ろすさまは迫力満点。現在は島おこしの一環として、毎年5月と10月の年に2回、開催されています。

ダイビング Diving

隆起珊瑚礁でできた多良間島周辺の海域は、沖縄でも有数のダイビングスポット。抜群の透明度を誇る海だからこその絶景は、多良間の海を心から愛する地元ダイバーたちによって美しく保たれています。珊瑚礁や魚影がつくりだす華やかな水中風景や真っ白な砂地の海底、ダイナミックな地形から不意に現れる回遊魚。その圧倒的な景観に魅せられ、リピーターとなるダイバーも多いとか。まずは島唯一のダイビングショップのホームページやFacebookを見て、多良間海域の素晴しさを実感してください。

郷土マリンサービスJAWSⅡ

たらま一周マラソン marathon

暑い盛りも過ぎた11月に行われる、島内一周マラソン。きれいな海とのんびりした島の風景を眺めて、楽しみながら走ることができます。健康増進と青少年の健全育成が目的のため、距離設定が複数あるのも魅力。3km・5km・10km・24.3kmの4コースのなかから、自分のペースで走れるコースが選べます。第16回大会の今年は、村制100周年記念大会。9月2日(月)からランナー募集を開始します。
お問い合わせは、たらま島一周マラソン実行委員会(0980-79-2260)まで。

多良間に伝わる特殊音

ヤギさんを見てください。なんだか変な音を出していますね。何と言っていると思いますか?
実はこれ、多良間島独自の特殊音表記のひとつなのです。沖縄の方言は、地域や島によっても大きく異なります。なかでも多良間の言葉は独特で、日本の文字では表せない音がたくさんあるのだそうです。そこで考案されたのが、この特殊音表記。このほかにも「イ°」「キ°」「リ°」などがよく見られます。多良間村のガイドマップやトゥブリの看板には、当然のように使われているので、いろいろな特殊音を探してみましょう。

ふるさと民俗学習館でもらえる、【多良間独特の言葉の発音と特殊音の表記】の一部分

では、もう一度ヤギさんの言葉の謎に迫りましょう。答えは「ふるさと民俗学習館」にありました。「ム°」の発音記号は「m」。通常は言葉の始めにこないこの音を、声を絞り出すように単体で発してみてください。

「ム°」。
答えは「芋」でした。

ふるさと民俗学習
さまざまな資料が収集された、多良間村の文化拠点。文書や芸能用具等のほか、八月踊りの衣裳、台本、写真なども展示してあります。子供たちへの民俗芸能や地域文化の継承・発展が目的ですが、観光客が訪れても十分に楽しめます。

お問い合せ先 ふるさと民俗学習
所在地 宮古郡多良間村字仲筋1098-1
TEL 0980-79-2223
開館時間 火曜日~日曜日、9:30~18:00
定休日 毎週月曜日、祝日、慰霊の日、年末年始ほか館内整理期間
入館料 大人(高校生以上)200円/小人(小・中学生)100円

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