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海の男とカツオが新鮮! 伊良部島 佐良浜漁港で過ごすひととき

佐良浜漁港で漁師体験

2015年1月に宮古本島との間に伊良部大橋が開通し、ぐっとアクセスしやすくなった伊良部島(いらぶじま)。長い間、海で隔てられてきた人口約6,000人の島は、カツオ漁の県内シェア8割を誇り、沖縄のほかの地域ではもう見られない伝統的漁法(※)の技術と文化が残っています。

※アギヤー 漁 (追い込み漁)で獲ったぐるくんの稚魚などの生き餌を撒き、近海でマグロやカツオを一本釣りする漁法。アギヤー漁は糸満海人によって生み出された漁法で、水深20~30メートルほどの海底に網を張り、数人がかりで泳ぎながら、潮の流れや海底の地形から魚が逃げる方向を読み、網へと追い込む。(伊良部漁業協同組合ホームページ「佐良浜の漁業」 )より。

佐良浜漁港へ向かいます

漁師町、佐良浜を訪ねる

今回訪れた「佐良浜(さらはま)港」は、伊良部島カツオ漁のメッカ。ハイシーズンの7月~9月には毎日のように、大漁旗を掲げ音楽を鳴らすカツオ漁船の帰港を見ることができます。

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その佐良浜漁港をディープに楽しめるのが、地元の観光プログラム「ひだばた散歩」と「なりきり漁師体験」です。「ひだばた散歩」は、ひだばた(漁港周辺)を散策しながら、漁師さんとのふれあいを楽しむというもの。見ているだけではわからない漁協の荷捌き場や桟橋に足を踏み入れ、豪快な働きぶりを垣間見ることができます。一方の「なりきり漁師体験」は、漁師さんの手ほどきを受けながら、カツオを一本まるまる解体するという実にワイルドなプログラムです。

カツオさばき体験に挑戦

「佐良浜では、カツオをさばけない男はバカにされるんです」と話してくれたのは、カツオ漁船「隆祥丸」とカツオ節工場を営む海人一家の4代目久高一哲さん。コワモテで、写真が苦手だけれど、カラっとした笑顔がとびきりキュートな海の男です。一哲さんにレクチャーを受けながら、その日の朝水揚げされたばかりの新鮮なカツオをさばきました。家庭の台所にはなく、出刃包丁とも違う独特のかたちをした包丁を丁寧に研ぐところから作業スタート。

手慣れた様子で包丁を研ぎます

佐良浜流カツオさばきに挑戦

頭を落として皮を剥ぐ土木工事のような豪快な作業に始まり、骨から身を丁寧に削ぎ落とす繊細な手仕事を施すうちに、一本のカツオがみるみる4本のサクになり、そしてお刺身へと姿を変えていきます。

佐良浜流のカツオさばきを伝授してもらいます

一哲さんによれば、血合いを落とし皮を残すのが佐良浜流。血合いを落とすのは、冷蔵技術がなかった頃の名残で、日持ちをよくするための知恵なのだとか。逆に、腐りやすい皮を残すのは、超新鮮なうちに食べられる漁師ならではの食べ方です。

初めての魚さばきに悪戦苦闘

胃袋からはカツオが食べた小魚が、頭部からは心臓が出てきたり、オスのカツオから白子がとれたり。体験を通して、スーパーマーケットのトレーの上でお刺身になったカツオからはうかがい知れない「今朝まで海を泳いでいたカツオの命」を感じました。

カツオが食べた小魚が登場

カツオ漁船の水揚げを間近で見学

無事「なりきり漁師体験」を終えた頃、運よく大漁旗を掲げたカツオ漁船が滑るように漁港へ。取材に伺った7月下旬は、カツオ漁の最盛期。群れに突っ込み、暴れるカツオを一本ずつ竿で揚げてきた屈強な海の男たちのご帰還です。

新鮮なカツオたちの水揚げ

この日は1隻で2トン強、200本~300本のカツオを8人で揚げたというから驚き。その獲物を、船底から淡々と運び出す姿は圧巻というほかありません。

漁師さんたちの水揚げを見学

彼らは、1720年に池間島から分村して海を渡り、佐良浜に村をつくった「池間民族」の血を引く海の民。池間民族は、「誇り高き血脈を自負する海洋民族(伊良部漁港ホームページより)」と言われています。カツオ漁は1907年に池間島で始まった後、2年後に佐良浜に伝わって以来継承されてきた伝統産業。一時期は黒糖や宮古上布と並ぶドル箱産業として栄えたそうで、多くの島民がカツオ漁に携わりました。1982年には、彼らの子孫たちによって日本で初めての人工浮き漁礁(パヤオ)が設置されるなど、その歴史は現在のカツオ漁へとつながっています。

自分でさばいた新鮮なカツオを味わう

自分でさばいたカツオは絶品

カツオの運び出しが続く桟橋を後にして、隣接する漁師食堂「漁師屋」へ。先ほどさばいたカツオは、”浜の女房”の皆さんの手であら汁 ・フライ・お刺身になっていました。獲れたて、さばきたての厚切り生カツオは、歯をはじくようなプリプリもっちりの食感。味は醤油がいらないほど、舌の奥にぐっとくる滋味深さ。フライはしっかりカツオの味がして、噛むと衣の中で身がプリっと割れるイキのいい歯ごたえ。ひとつ、またひとつと箸がのびます。1本分が4人のお腹にぴったり。あっという間に収まってしまいました。

はじめての魚さばき

たった2時間ほどの滞在だったとは思えない濃厚な体験ができた佐良浜漁港。同じ時代に同じ日本で生きながら、日常では出会うことのない”海と共に生きる人”との交流には、ありきたりの観光では味わえない島旅の醍醐味があります。

【ひだばた散歩】
・ 価格/ 45分 1,500円(税込)
・ 最低催行人数/2名 ※1名の場合 3,000円(税込)で催行
・ 予約/前日17:00までに電話予約要
・ 実施可能日/毎日
・ 実施時間/11:45~12:30(45分/時間変更は応相談)
・ 集合場所/漁師屋(漁協前) ※ 小雨催行。雨具をご持参ください。

【なりきり漁師(魚さばき体験)】
・ 価格/魚1尾(カツオorマグロ)買取り~魚さばき体験指導。2,000円 (1尾につき2人まで)
・ 最低催行人数/1名
・ 予約/要電話予約(前日17:00まで)
・ 実施可能日/毎日
・ 実施時間/12:30~13:00(30分/時間変更は応相談)
・ 集合場所/漁師屋(漁協前)
・ 特典/参加者は体験後、漁港の食堂「漁師屋」にて、1人500円で「ランチセット」(ごはん・さばいた魚の魚汁・フライ・刺身)がいただけます。

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なりきり漁師・ひだばた散歩(株式会社プラネット・フォー)

住所 沖縄県宮古島市平良西里299-3 
TEL 0980-73-7311
備考
URL http://www.plannet4.co.jp/hitotokisampo/

伊良部漁協直営店 漁師屋(伊良部漁業協同組合)

住所 沖縄県宮古島市伊良部前里添1
TEL 0980-78-3119
備考
URL http://irabu-gyokyo.com/p05r-meshi.html

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