伊良部島のお母さんたちと、
ずぅずぅぱるんかい(畑へレッツゴー)!

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伊良部島のお母さんたちと一緒に、ユンタク(おしゃべり)しながら歩いて食材を摘み、一緒に郷土料理を作って味わう体験プログラム「ずぅずぅぱるんかい!」。ずぅ=行こう、ぱる=畑、んかい=〇〇へという意味で、「ずぅずぅぱるんかい!=畑へレッツゴー!」になるのだとか。まるで親戚の家に遊びに来たような雰囲気の中で、島の文化に触れる。ただの旅行ではなかなかできない貴重な体験!

ゆったり流れる島時間の中で、島の暮らしに触れる旅

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(左)宇井さん、(右)友利さん

島のお母さんたちと食材を採って料理体験!? そんな伊良部島オリジナルのプログラムが始まっていると聞き、伊良部島へ。お母さんたちとの待ち合わせは、巨大なガジュマルの木陰にあるダキフガーバス停。「はじめまして。今日はよろしくお願いします」とご挨拶したら早速ツアースタート。案内役は、伊良部生まれ伊良部育ちの島のお母さん、宇井美和子さんと友利京子さんだ。「ガジュマルの根元に香炉があるでしょう?ここは聖地として地域で大切にしている場所なんです」と、宇井さん。気持ちのいい木陰をつくるガジュマルの大木が、村の守り神でもあったとは。ただ旅行に来ただけではわからない島の暮らしに触れ、ちょっと嬉しくなる。

集落の中にも食材はたくさん

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集落を歩き始めて10メートルほどで早速食材を発見。「これはトーシギン(山ブドウ)。砂糖漬けにしてシロップをつくると、きれいな赤紫色が出るんですよ。」「これはビバツグース、ヒハツとも呼びます。独特の香りがあって、ピリッと辛いスパイスです。」あれ、よその家の石垣になっているものだけど、採っても大丈夫? 「大丈夫、ここは知人の家だから。もらったよと声をかけて、あとで野菜でも持って行きますよ。島はそういう文化が残ってるから(笑)。みんな顔見知りだからね。」人の心もあたたかい田舎暮らしが、ちょっとうらやましい。「食べられるものが植えてあるところは多いんですよ。ほら、あれがパパイヤ。こっちは島唐辛子。」「あっちはバナナ。」「これはシークヮーサー。まだちょっと小さいね。」あらゆる民家の庭先に食材があるんじゃないかというぐらい、果物から野菜までいろんなものがあるのにもビックリ。

島の聖地で伝説を聞き、浜で天ぷらの材料をゲット

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続いて、伊良部島の人気No.1ビーチである渡口の浜手前の「乗瀬御嶽(ヌーシウタキ)」へ。ここは島一番の美女で機織りの名手だったタマメガが神として祀られているという伝説の地。

ビーチでは、グンバイヒルガオの若い葉っぱを摘む。沖縄の浜辺でおなじみの、紫の花を咲かせるグンバイヒルガオ。葉っぱが食べられるとは知らなかった。「モンパの木のつぼみもおいしいんですよ。」モンパは別名ハマスーキと言い、昔の漁師さんはこの木で水中メガネを作っていたという。「今は食べ物が豊富にある時代だけど、昔はそうじゃなくて。私たち自身も、何が食べられるかをお年寄りに聞いて勉強しました。みんなで調理法を工夫しながら食べてみて、島にはムダなものがないって実感しました。」

南国の野菜やフルーツ、ハーブがいっぱいの「ぱる」

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宇井さんの畑に到着!ここではドラゴンフルーツ(ピタヤ)のつぼみ、レモングラス、ハイビスカスの花、バナナの花、ンギャナ(ニガナ)、サクナー(長命草)など、食材をたくさんゲット。バナナって花も食べられるのか……今日はカルチャーショックの連続だ。これがどんな料理になるのだろう。

民家の台所で、調理実習!?

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この日、お邪魔したのは宇井さん、友利さんたちと一緒にずぅずぅぱるんかい!を催行している大城さんのお宅。普通の旅行では、なかなか一般家庭へお邪魔することはないので、すごく新鮮だ。摘んだ食材を並べてみると、沖縄ならではのものがたくさんあって面白い。
沖縄本島ではかちゅー湯と呼ばれる、カツオ節入りの味噌玉をお湯で溶いたシンプルなスープ「タティ汁」用に、伊良部島特産のカツオ節と味噌を団子状にする。ンギャナの島豆腐和えや、各種食材の天ぷらなど、初めて使う食材ばかりで、なるほどこんな料理にするのかとわくわく。お母さんたちに手ほどきしてもらいながら、ひとつひとつ丁寧に作っていく。自分で摘んできたばかりの食材を自分で料理するって、すごく新鮮。下ごしらえ、食器の準備など、お母さんたちの手際の良さにさすがと驚きつつ、あっという間に料理が完成した。

島の恵みを、いただきまーす!

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メインディッシュは、摘み草の天ぷら。伊良部島在来種の小豆を使ったお赤飯、タティ汁、ンギャナの島豆腐和え、パッションフルーツヨーグルトやマンゴーなどのデザート、自家製ハーブティーまで、島の食材をふんだんに使っている。
摘み草の天ぷらは、珍しいだけじゃなくてどれも美味。ピタヤのつぼみはとろみがあり、バナナの花びらはほんのり甘い。生のまますりおろしたビバツグースは香り高くて、宮古島特産の雪塩と相性バツグン。天ぷらにトッピングすると、ピリッとスパイシーな大人の味が楽しめた。

2017年1月にスタートしたばかりのこの体験プログラムだが、雑誌やWebの口コミで次第に情報が拡散され、韓国のテレビも取材に来たという。季節によって料理の内容や散策コースは異なるものの、料理好きのお母さんたちと島を歩いて食材を摘み、調理して食べるという基本の流れは同じ。おおらかで人間らしい島の暮らしに触れて、おなかも心も大満足。伊良部大橋が開通して、ぐっと身近になった伊良部島。今度は「ただいま!」と帰って来たいな。

Information 基本情報

宮古島ひと・とき さんぽ(株式会社プラネット・フォー)

住所 沖縄県宮古島市平良久貝870-1 島の駅みやこ内
TEL 0980-73-7311
備考 ずぅずぅぱるんかい!1人7,000円(税込) 
最低催行人数 2人
(所要時間約2時間30分※所要時間は応相談・2日前までに要予約)
URL http://www.plannet4.co.jp/hitotokisampo/
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