ちょっと欲張りな冬の波照間島旅!
日本最南端で食と幻の泡盛、
そして幻想的な星空に出会う!

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波照間島は日本最南端の有人島。石垣島から船に乗り、上陸することができる島旅ファンあこがれの島。この波照間島を冬に訪ねてみたら、はたしていったいどのような表情と輝きに出会えるのだろう?昨秋就航となった大型高速船「ぱいじま2」で、1月の波照間島へ渡ってみた!

日本最南端の有人島へ、大型高速船「ぱいじま2」で渡ろう!

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2017年10月、石垣島と日本最南端の有人島である波照間島を結ぶ航路に、大型高速船「ぱいじま2」(双胴船)が登場!その総トン数は284tで、従来の高速船に比べると定員は2倍以上、かつ総重量はなんと約15倍!!というわけで、「ぱいじま2」は従来船とは異なり、島々が点在する浅海をまるで滑るように静かに走る。2階には、スーパーシート専用(乗船券とは別に片道1,000円が必要)の優雅な船室も完備。2018年1月現在、波照間航路は1日3便就航しており、この第1便のみ、「ぱいじま2」が運航している。なお、「ぱいじま2」の波照間までの所要時間は約80分で、従来の小型高速船は約60分。その日の海況や時間帯に応じて、乗る船が選べるのも嬉しい!また、石垣島から波照間島への高速船を運航する安栄観光の公式サイトでは、本日の運航状況を随時アップ。欠航が増える冬季は、港へ向う前に確認すると安心だ。

日本最南端の有人島。最南端の地面を踏みしめよう!

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船を降りて島を一歩踏みしめた瞬間、とても感慨深い気持ちになる。波照間島は石垣島から南西へ約63㎞も先にある、日本最南端の有人島なのだ。というわけで、上陸して一番に向かいたいのは、島の南端にある、「最南端の碑」だ!広がるサトウキビ畑を抜ければ、海岸の草地の向こうに手作り感あふれる素朴な碑が待っている。その向こうに広がるのは、刺々しい岩礁地帯だ。島の最南端は、簡単には人を寄せ付けぬ断崖絶壁に縁取られているのだ。そして、その向こうには波打つ濃紺の海が広がり、水平線の彼方まで目視できる。

ニシ浜で、海のグラデーションにうっとり。

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波照間島の南端は、前述のように断崖絶壁に縁取られているのだが、北側にはハテルマブルーと呼ばれる美しい色彩の遠浅の海が広がっている。薄桃色の砂浜に寄せる透明な波、その先の水色の海、そしてはるか遠くに広がる濃紺の深い海。海のグラデーションは、南の島々を取り囲む海を見慣れているウチナーンチュ(沖縄県民)ですら、思わずうっとり眺めてしまうほどに美しい。しかも、冬に旅するとこの極上ビーチがほぼ貸切状態に!流木に腰かけ、しばしこの絶景をひとりじめ。引いては寄せる波を見つめ、その音を聴く。この穏やかな時間こそが、冬の波照間ならではの楽しみ方なのかもしれない。帰路、集落へと向う坂道の途中にある製糖工場から、ふわーっと黒糖の、芳醇な香りが漂ってきた…。1月の今は、製糖シーズン真っ只中なのだ。

亜熱帯の植物に囲まれながら過ごす、日本最南端の古民家お庭カフェ

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南の島で暮らすように赤瓦屋根の古民家の庭先でくつろげるのが、ここ「kukuru cafe」。お席は庭のパラソル席か、屋敷を囲むフクギに囲まれた秘密基地っぽいテラス席。いずれも島風流れる戸外のオープンスペース。この日、お昼にいただいたのは「島豆腐の玄米ベジタコライス」。お肉ではなく、沖縄ならではの島豆腐をたっぷりと使い、ソースにはチーズの代わりに波照間島特産のもちきびを。玄米のぷちぷち感も楽しく、ヘルシーな一品。食後のデザートには手作りの島豆腐のガトーショコラや、おからとバナナのパウンドケーキなどが盛り付けられた「よくばりケーキ3種盛り」をオーダー。卵や乳製品を使っていないとは思えぬしっかりとした味わいで、ガトーショコラに添えられた黒糖が香るクリームも絶品。店長の寺尾麻美さんにここを楽しむコツを伺うと、「朝限定のアサイーボウルを用意して、午前10時からオープンしています。早めの時間帯にお越しいただけると、ゆったりとお過ごしいただけるかなと思います」とのこと。庭でのんびり、お茶しましょう!

幻の泡盛「泡波」を買おう

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この島の波照間酒造が丹精こめて造る泡盛「泡波」は、生産量が少ないため、なかなか手に入りにくく、「幻の泡盛」とも呼ばれている。実際、夏に波照間島を訪ねて商店めぐりをしても同じことを考える旅の方が多いようで、「泡波」に会えることはあまりない。酒造所の建物前で、ふんわりと流れでてくるタイ米を蒸す甘い香りをくんくんと嗅ぎつつ、記念撮影。そして満ち足りた心地で島内散策をしていると、なんと「泡波酒店」と書かれた看板を掲げる店を発見!ガラス戸を開けると、可憐な女性がにっこり。レジ横の机には、あの「泡波」の二合瓶たちがズラリと並び、買えるという!店員さんいわく、「できるだけ多くの方の手にとっていただきたいとの思いから始まった酒店なので、ひとりが購入できる本数を決めているんです」とのこと。もちろん来島者が多い季節には朝のうちに完売することもあるそうだが、どうやら冬の旅ならば、ここで「泡波」を買える確率は随分と高めになるようだ。ちなみに、前述の「kukuru cafe」でも、幻の泡盛「泡波」をロックや水割り、さらに泡波カクテルで味わうこともできるので、まずはこちらで味見をしてみるのも楽しいかも。

コート盛は、カタツムリ型ののろし台

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平たい波照間島の、平たいサトウキビ畑のただなかにポツリと佇むコート盛。ゴツゴツした琉球石灰岩を左巻きに積み重ね、カタツムリ状に仕上げられている。そうしてこのカタツムリの背に登れば、てっぺんからは対岸に悠然と広がる西表島や、新城島を望める。実はこのコート盛は、琉球王府時代ののろし台。沖合いを航行する船を見つけたらのろしをあげ、隣島へ知らせ、リレー形式で中央へ報告を繋げるという伝令を行う見張りの場所。この眺めを、むかしむかしを生きた波照間の人々も眺めていたのだと思うと、ノスタルジックな気分になるそんな旧跡だ。

最南端の居酒屋で、「泡波」をボトルキープ。

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波照間島に夜が来たら、やっぱり日本最南端の居酒屋にも行ってみたくなるというもの!いうわけで「居酒屋あがん」を訪ねた。ところで、〝あがん〟ってなんだろう?店主の登野盛 龍さんに伺うと、「波照間島の言葉で〝あがん〟とは〝芋〟のこと」と。芋のように根を張り、人と繋がる、そういう店になって欲しいとの願いをこめて、お母さまが名付けたのだそう。実際、開店と同時に続々とお客さまが来店!皆さん早速、楽しそうに言葉を交わしていらっしゃる。登野盛さんいわく、満席になる頃にはあちらこちらで交流が始まり、もう誰がどの席のお客様かわからなくなることもあるとか。ここは、島の方々に愛されているお店なのだ。

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メニューをみれば、あの「泡波」も!なるほどたしかに店の壁にはズラリ、ボトルキープの「泡波」が並ぶ。ほかにも、石垣島の「白百合」、与那国島の「どなん」など、7種の泡盛から3種を選び味わえる「呑み比べセット」なるメニューもあり、お気に入りの泡盛を探すのにぴったり!

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まずはお腹が空いていたので「アーサーあんかけチャーハン」をオーダー。少し待つと、磯の香りいっぱいな湯気をくゆらせながら料理が登場。本格チャーハンに八重山産の翡翠色のアーサーあんを絡めつつ、熱々をいただく。旨いっ!ちなみにメニューにはほかにも、「あさりの泡波酒蒸し」、「イカ墨そーめんちゃんぷるー」、「マーミヤかまぼこ3種盛」、「自家製豚味噌」と、気になる料理がずらり。

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〆(しめ)のデザートは、波照間島の黒糖で作った黒蜜を絡めていただく「黒蜜バニラアイス」を。黒糖で知られる波照間島で、これは必食。「来店前にはぜひ予約をお願いします!」と、店長さん。夏ともなれば満席で、空席待ちで並ぶ必要がでることもあるとか。早めの予約をおススメしたい。

カノープスに、冬の大三角!幻想的な冬の夜空に感動!

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その日は曇天だったのだが、波照間を訪ねたらやっぱり輝く星空を楽しみたい!いうことで、「星空観測タワー」を訪ねてみた。ホンモノの星は観られなくとも、星のお話しを聞くことができるとのことで、「夜の星空ガイド(有料)」に参加を。館長の入江中(いりえなか)さんが「天の川ってなんだろう?」をテーマにお話しをたっぷりとしてくれて、宇宙へといざなわれ大満足。

 

「星空観測タワー」を出た後、せっかくなので星が出るのを少し待ってみることに。そうして闇のなかで待つこと2時間、厚い雲は薄雲へと変わり、まもなく星たちの強い光が雲をつき抜けてきた!なんて、幻想的な星空なのだろう!三つ星を抱えるオリオン座やオリオン大星雲。赤い星はそのベテルギウス。ひときわ強く輝いているのは、おおいぬ座のシリウス。左上の輝きが、こいぬ座のプロキオン。そして、この三つの星がつくるのが、小学校で習った冬の大三角!シリウスから下へ視線を移すと、東屋の上に、ポツリと輝く一等星のカノープス!空の低い位置で輝くカノープスだが、南の沖縄では、幾らか高いこの位置で輝くので、観察しやすいのだ。ちなみにカノープスは、中国では南極老人星と呼ばれ、見れば寿命が延びるといわれる縁起のいい星でもある。こんな幻想的な、雲の向こうから強い輝きを届ける星空を観るのは初めてだった!

集落のなかにあるホテルで、安心、快適ステイを!

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バス&トイレがお部屋にある方が、やっぱりいいな。そんな方におすすめしたいのは、全室バス&トイレ付きのお部屋の「ホテルオーシャンズ」。無料のクーラーやテレビはもちろん、タオルもあり快適。共同設備となるがコインランドリーもある。またこちらのホテルは、集落の中央にあるので、歩いて郵便局を訪ねたり、商店めぐりをするのにもとても便利だ。さらにレンタサイクルのみならず、レンタバイクとレンタカーも扱っている。宿泊予約時にあわせて確認しておくと安心だ。また「竹富町波照間島星空観測タワー」で開催される「夜の星空ガイド」へ参加したい方は、事前にお願いしておけば送迎もしてもらえる。夜の波照間島は漆黒の闇に包まれるので、とてもありがたいサービスだ!ぜひ、活用しよう。

 

振り返ってみれば、この地ならではの味や星座に彩られた幻想的な夜空など思いっきり満喫した今回の旅。この時期に島を訪れてみて、夏とはまた違うゆったりとした贅沢な時間を過ごすことが出来た。是非ともおススメしたい冬の波照間島で心潤す旅!

Information 基本情報

kukuru cafe

住所 沖縄県八重山郡竹富町波照間 竹富町波照間3146
TEL 0980-85-8135
備考 営業時間:10:00~15:00(14:30、ラストオーダー)
休:不定休
※5名様以上はご予約をお願い致します。

泡波酒店

住所 沖縄県八重山郡竹富町波照間174
TEL 0980-85-8901
備考 営業時間:9時~12時/14時30分~17時
定休日:日曜(都合により変更になることあり)

居酒屋あがん

住所 沖縄県八重山郡 竹富町波照間148
TEL 0980-85-8088(予約をおすすめします)
備考 営業時間:18:00~23:30
(22:00がフードのラストオーダー、23:00がドリンクのラストオーダー)
定休日:月曜(臨時休みあり)

竹富町波照間島星空観測タワー

住所 沖縄県八重山郡竹富町波照間3905-1
TEL 0980-85-8112
備考 営業時間:
(昼)10:00~12:00、13:00~17:00
(夜)4月~10月は20:00~22:00 / 11月~3月は19:00~21:00
入館料:大人(高校生以上)400円、小人(小・中学生)200円)
定休日:月曜
*2018年1月時点プラネタリウムは故障中です。
*昼間は係員による解説はありません。
*夜の星空ガイドは、夜の営業時間に1回のみ実施。 実施時刻は季節により変わります。
*館内は禁酒、禁煙。
URL https://painusima.com/1009/

ホテルオーシャンズ

住所 沖縄県八重山郡竹富町字波照間78-2
TEL 0980-85-8787
備考
URL http://hotel-oceans.businesscatalyst.com/index.html
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