沖縄に数ある離島の中で、粟国島は渡り鳥の宝庫だということをご存知でしょうか?粟国島は沖縄本島・那覇から約60km北西の海上にある周囲約12kmの小さな島。その姿はほぼ三角形をしており、島の南西は高さ90m近い断崖で、北東に向かうに連れゆるく傾斜しています。そんな島になんと!渡り鳥がたくさんやって来るのです。その種類は日本で確認されている鳥の数の約3分の1の210種類ほどの野鳥が確認されています。島の観光協会では双眼鏡の貸出の用意も万全。何はともあれ、自分の目で確かめに行ってみましょう!
- 鳥の数について
- 日本で確認されている鳥の数(2012年日本鳥類目録) 633種
- 沖縄で確認されている鳥の数(2009年沖縄の野鳥) 480種
- 粟国で確認されている鳥の数(2013年沖縄野鳥の会) 約210種
平成24年11月沖縄県は、粟国島の全域を県指定鳥獣保護区に、そして、一部が特別保護区に指定しました。沖縄県の公告によると粟国島は「東南アジアから日本に渡る渡り鳥の中継ルートにあたり、沖縄本島ではあまり見られない渡り鳥がしばしば目撃されます。その中には国内希少種のハヤブサやアカハラダカ・サシバなどの猛禽類※や、絶滅危惧Ⅱ種※のコアジサシなどのアジサシ類やツバメチドリなどが確認されています。粟国村観光協会の職員でもあり、「あぐに野鳥友の会」の代表の四方正良さんによると、粟国島では一般的なバードウォッチングではありえない近距離で鳥たちを見ることができるといいます。「島の子供たちに観察会を開いたのですが、家の周りでもさまざまな鳥を見ていることがわかりました。」子供たちが普段見慣れている鳥たちは、実はとても貴重な渡り鳥ばかり!島の中にはウォッチングポイントもたくさん。特別な場所にかき分けて入らなくても気軽に見ることができるのが、粟国でのバードウォッチングの素晴らしいところなのです。
※猛禽類小鳥や小動物などを捕食する鳥
※絶滅危惧Ⅱ種絶滅の危険性が増大している種
ウォッチングポイントで観測できる野鳥
粟国村観光協会では、バードウォッチング用の双眼鏡を貸し出ししています。粟国の野鳥は比較的近距離で見られるが、双眼鏡があればさらに楽しみが倍増です。30×8倍が20台。個数に限りがあるので、予約をしておくと確実です。
粟国村観光協会
沖縄の塩ブームの火付け役ともいうべき存在の「粟國の塩」。単なる「ご当地の塩」ではなく、塩のあるべき姿を追求した逸品。自然塩復活運動を展開した三人の学者とともに、塩を通して「世界の人々を健康に導きたい」というビジョンのもと、20年もの研究を重ねて出来上がりました。沖縄海塩研究所内は事前に連絡をすれば見学可能です。汲み上げた粟国のきれいな海水をどのようにして塩にしていくのかを、説明しながら案内してくれます。たかが塩と思うことなかれ。全国の料理人を唸らせた「粟國の塩」は、「世界が認める輸出有望食品40選」にも選ばれ、また、アメリカ・フランス・ドバイなどで開催された国際食品見本市にも出展。世界が認める塩が、ここ粟国島から生まれています。
まずは海水を汲み上げ、濃縮させる。その方法は、苦労の末生み出されたタワー式。約15,000本もの竹を吊るし、そこに何度も何度も竹に海水を吹きかけ循環させ、1週間以上かけて塩分濃度を6倍~7倍にする。それを、釜だきに移し、30時間かけてゆっくりじっくり煮詰めます。この作業は常にかき回していないと焦げてしまうため、つきっきりで一昼夜行われます。そして、炊き上がった塩を6日~18日ほどかけて自然乾燥。20年かけて見出したこの方法で作られた塩は、手作業で袋詰められて出荷されます。
「粟國のにがり」
「粟國の塩」が炊き上がった時にできるのが「にがり」。これは濃縮海水を煮詰めて作る昔ながらの製法だからこそ生まれてくる貴重なものです。この中には、海水中の微量元素がたくさん含まれているのですが、これらのミネラルは人体にとってとても貴重なもので、「粟國の塩」とともに販売されていており、炊飯時に数滴たらすとごはんもおいしくなります。また、小渡所長のおすすめはこれを30倍の水で薄めて作るにがりスプレー。肌の調子を整えたり、傷口や虫刺されに、また、作物や観葉植物にかけると虫除けにもなります。
株式会社沖縄海塩研究所
- 住所粟国村字東8316
- TEL098-988-2160
- 塩田を使った塩作り無料体験学習も可能
(5名以上、要予約)
「もちきびかりんとう」
粟国村観光協会のすぐ隣にある特産品加工センターで、島のおばぁたちが集まって手作りしているのが、もちきびかりんとう。島で採れた特産品のもちきび(マージン)を原材料としています。生地をこね、切り分け、整形して、油で揚げれば出来上がり。味は3種類あって、もちきび風味が味わえるプレーン、溶かした黒砂糖に絡めた黒糖味、粟国の塩をまぶした塩味があります。ちなみに、いつでも見学可能ですが、毎日作っているとは限らないので要注意。おばぁたちとユンタク(おしゃべり)しながらの工場見学は楽しいです。購入は空港で。
日本で一番客席が少ない飛行機として知られるBN2、通称「アイランダー」。那覇空港からの飛行時間は約25分と短いものの、低空飛行なので沖縄の美しい景色が堪能できるのが何よりの魅力です。但し、小さい飛行機なため座席のリクエストはできず、手荷物込みで体重を測り、バランスを見て指定されます。機長のとなりの特等席が当たればさらに気分は最高です!
第一航空株式会社 那覇事務所
- TEL098-859-7801
- 所要時間約25分(那覇⇔粟國)1日3便
フェリーの良いところは、島での足回り(サイクリングやバイクなど)を持ち込むことができることです。粟国島ではタクシーもないので、自前のものを載せていけるのはとても便利です。また、人数制限もないので(飛行機9名まで)グループなど複数で行く旅行ならば特に、ゆったり座ることができたり、横になったり、リラックスできるフェリーがおすすめです。
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那覇港泊ふ頭(とまりん)~粟国港
フェリー粟国 那覇船舶連絡事務所
- TEL098-862-5553
- 所要時間約2時間15分(那覇⇔粟國)1日1便
バスやタクシー、レンタカーのない粟国島で活躍するのがレンタサイクルです。それぞれの宿でもレンタサイクルのサービスがあるが、粟国村観光協会では電動式の自転車をレンタルしてくれます。