渡嘉敷島で、昔ながらの「ゆし豆腐づくり」体験

仲良し4人家族、初めての離島旅。3歳の長男くんは何事にも興味津々なお年ごろ。“日ごろ触れられない自然や文化を感じてほしい”と、旅先に選んだのは渡嘉敷(とかしき)島です。
天候を気にせず自分たちのペースで楽しめる、伝統の「ゆし豆腐づくり」を親子で体験します。

初めての家族旅!那覇から気軽に行ける「渡嘉敷島」へ

那覇市の泊港を出発し、高速船だと約40分であっという間に渡嘉敷港に到着!小さな子どもと島旅デビューにおすすめの渡嘉敷島は、フェリーと高速船が一日に複数便ある利便性も魅力のひとつです。

豊かな自然を有し、国立公園に指定されている慶良間(けらま)諸島の中でも、一番面積が大きい渡嘉敷島。“ケラマブルー”と称される世界屈指の透明度を誇る海を求めて、多くの観光客やダイバーが訪れています。「クバンダキ展望台」は、阿波連ビーチと山々の美しい景観を見渡せるおすすめの絶景スポットです。初めて見るエメラルドブルーの海と視界いっぱいに広がる風景に、子ども達も大興奮!

家族で「ゆし豆腐づくり」体験

慶良間諸島の絶景を見た後は、ゆし豆腐づくり会場の「ゆうなぎ荘」へ。

「ゆし豆腐」は、豆乳ににがりを加えて固まり始めた“おぼろ状の柔らかい豆腐”のこと。沖縄では古くから愛される郷土料理です。

濃厚な豆乳の旨味と塩味が特徴で、できたてをそのまま食べたり、だし汁と合わせたりするほか、沖縄そばの具材としても人気があります。

教えてくれるのは、“はじめちゃん”の愛称で親しまれている島の名物おじぃ・金城 肇(きんじょう はじめ)さん。
もともとは民宿の運営やダイビングのガイドをしていましたが、近年は集落の案内や月桃を使ったお茶、ムーチー(お餅)づくりなど沖縄の伝統文化を継承する活動をしています。

ゆし豆腐のレシピは、島に伝承されるふるさと料理本「なびんた」を参考にしていて、昔ながらの作り方を忠実に再現しています。

材料はとってもシンプル。「一晩水に浸した大豆」と「海水(にがり)」のみです。

昔から使われてきた大きな「石臼(いしうす)」で、大豆を細かくしていきます。大豆を石臼の上部分に置いて、小さな穴から中央部分に落ちてきたものを摩擦ですりつぶす仕組みで、昔は各家庭に一台はあり、手づくりで豆腐を作っていたそうですよ。

初めて見る道具に興味津々の長男くんが石臼挽きにチャレンジ!「ん~!動かな~い!重た~い!」と、奮闘するもびくともせず。パパが手を添えて一緒に押すと、少しずつ動き始めました!

ゴリゴリと地道に挽き続けるのは、なかなか力がいる作業。はじめさん指導のもとパパが中心となって頑張ります!

大豆が潰されて、石臼の下に設置したボウルに白い液体が溜まっていきます。豆の状態では黄色かったのに、白色になるのが不思議!

できあがった液体をこし袋に入れて、しっかり絞ります。
こちらも意外と力がいる作業。「パパ頑張れ!」と家族から声援が送られます。

こし袋に残った絞りかすが”おから”で、絞り汁が生の”豆乳”。ゆし豆腐は豆乳を使って作っていきます。

お次は鍋に移して温めていきます。フチにぷくぷくと泡が出ると、ちょうどいい温度のサイン。見逃さないよう注意して、慎重にかき混ぜ続けます。
沸騰する直前の火加減を見極めてキープするのが職人の技。鍋底がこげやすいので、こげが混ざらないようにするのがポイントです。

豆乳が温まりクツクツと音を立てたら火を止めて、ヘラで「八」の字を描くようにかき混ぜます。
そこに、煮沸消毒して、フィルターで丁寧にろ過した「にがり」を少しずつ加えていきます。

にがりを入れることで、徐々に豆乳がおぼろ状に!
かき混ぜる手を止めて数分待つと、固まった豆腐と透明な水分がはっきりと分かれました。

手づくり「ゆし豆腐」の完成です!
昔ながらの道具「鰹節削り器」を使って削った、香り高い鰹節を添えていただきます。

できたてのアチコーコー(沖縄の方言で「熱々」)をいただきます!
ふわふわのゆし豆腐は、ホロホロ食感でやさしい素朴な味わい。濃厚な生絞り豆乳でできているので、大豆本来のコクと旨味がギュッと凝縮されています。

自分たちで手づくりしたゆし豆腐。できたても相まって、よりおいしく感じます。にがりの塩味、鰹節の風味がアクセントになり、子ども達もパクパクと完食しました。
頑張った甲斐があったね!

島のおじぃの家で、家族みんなで和やかな時間を過ごしました。

「はじめじいちゃん、バイバイ!また遊びに来るからね」とハイタッチしてお別れ。

初めての船旅と大自然、そして島んちゅとの交流を通して島の文化に触れる体験は、子ども達にとって大興奮の連続!天候を気にせず親も安心して楽しめるのも、このプログラムの魅力です。

「ゆし豆腐づくりは、ちょっと難しかったけど、出来て良かった!」と嬉しそうな長男くん。
自分の手で作ったあたたかい味は、きっと忘れられない思い出になったはず。

帰りの船で「また来ようね」と家族みんなの声がそろったとき、渡嘉敷島は私たちにとって”また帰りたくなる場所”になっていました。

Information 基本情報

マリンブルーとかしき とかしき自然塾(ゆうなぎ荘)

住所 沖縄県島尻郡渡嘉敷村字阿波連31
TEL 090-8290-6505
備考
URL http://yuunagisou.web.fc2.com/
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