沖縄本島の北に位置し、約1200名が暮らす島、伊是名島。
歴史と自然が堪能できるこの島で、100年以上前から続く伝統行事があります。
今回は、その伝統行事”ウンナー”を体験できるツアーに参加!
ツアーの内容や、その様子を徹底紹介します。
そもそも”ウンナー”ってどんな祭り?
気になった方は、こちらの記事をチェック✓
伊是名島についてはこちら
ツアーについて
【ツアーに含まれているもの】
・伊是名島での宿泊費
・朝昼夕食代
・ウンナーTシャツ
・保険料
・ガイド料金、体験中の飲料代
・集落への寄付金(伝統文化継承貢献)
【ツアーの開催】
ウンナーは毎年7~8月に集落ごとに行われています。
その中でも、旧暦6月15日に行われる勢理客区(じっちゃく・せりきゃく)のウンナーに参加します。
【ツアー1日目】

運天港から伊是名島へ出発!

沖縄本島北部にある運天港で、切符を購入したらいざ乗船!
船に車を乗せて運びたい方は予約必須です。
尚円王が描かれた立派なフェリーで、約1時間の船旅が始まります。

到着すると、港でいぜな島観光協会の方がお出迎え。
島の人々が三線や一斗缶を叩いて歓迎してくれています。

ここからは貸切バスに乗って、昼食会場の「レストハウスかみやま」へ。
下の収納スペースには、キャリーケースを載せることが出来るので、荷物の持ち運びも安心です。

ターミナルから車で4分ほどで到着。
木調の綺麗な店内は、テーブル席と畳間で子ども連れでも安心。
お昼時は島民で賑わう人気店です。
今回は看板メニューの「月見もずくそば」と、数量限定の「骨汁」をいただきました。

鳥・豚・かつおからなる出汁はあっさり。だけど
しっかりとした味わいでもずくと麺が絡んで絶品。

骨とお肉だけでなく、野菜のうまみが広がる
ほかとは違った味わいの骨汁が楽しめます。

お腹を満たしたら、ホテルにチェックイン。
今回宿泊する宿は「いずみ荘」です。
青々とした夏の空と、艶やかなピンクのブーゲンビリアが揺れるとても素敵な宿です。

お部屋はツインベッドで、かなり広い空間!
バストイレ付きで、テレビや冷房も完備。
離島に不慣れな方も安心してくつろげます。
いざ、歴史探索ツアーへ出発!

伊是名島を代表する人物「尚円」は、第二尚家の時代に琉球を治めた王様です。
島内には、尚円王ゆかりの場所があちこちに点在しています。
最初に向かったのは、「尚円王御庭公園」です。
立派な尚円王の像を横目に、歴史ガイドが詳しく解説してくれます。
島で生まれ、琉球国王になるまでの物語に、参加者の皆さんも興味津々な様子。

公園内を少し移動すると、お次は「尚円王のみほそ所」が現れます。
「みほそ」とは、おへそ・へその緒を意味し、尚円王が生まれ、そのへその緒が埋められた地として守られてきた場所です。
あたりはフクギやビロウと呼ばれる木々に囲まれ、神聖な空気に包まれています。


みほそ所のそばには、集落の祭祀を行う際に使用されてきた「諸見の神アサギ」と呼ばれる建物があります。
茅葺屋根の寄棟造で、中に実際に入って見学することができます。
水が逆さに流れた?尚円王の人生を変えた場所

サトウキビ畑を抜けて、続いて向かったのは「逆田」と呼ばれる水田です。
ここはかつて、尚円王(島では松金)が島を出るまで農作業をしていた場所で、その人生を変えた転機の場所でもあるといわれています。
好青年で女性たちから人気があった松金でしたが、あることをきっかけに、島を離れることになるのです。

ガイドさんの話によると、一説にはこんなエピソードが残っているそうです。
島が干ばつに見舞われ、どこの畑も干上がってしまっていたある年の出来事。
松金が持つ水田だけは水が満ち溢れていました。
不審に思った人々は、松金のためにと女性たちが田んぼに水を運び入れたのではないかと疑いました。
それが原因となり、松金は島を追い出されることになってしまったそうです。

実際には、松金の田んぼより上に湧水があり、それが溢れ出て水田が潤っていたようですが、濡れ衣を着せられた松金は身の危険を感じ、妻と幼い弟を連れて島を旅立った、という逸話が残されています。
水田のそばには、島を離れた松金を恋しく思う、村の娘たちが詠ったとされている琉歌の歌碑が建てられています。
バスから眺める自然美の連続!
尚円王をめぐる歴史ツアーのバス移動では、伊是名島の自然が堪能できます。


立派な岩山や、その後ろで輝くエメラルドグリーンの海は絶景です。
いぜな島観光協会の公式HPでは、島内の景勝地スポットが紹介されているので、そちらも参考にしてみてくださいね。
いぜな島観光協会のスポット紹介はこちら
フクギの先に広がる、琉球建築の象徴「銘苅家住宅」

最後に訪れたのは、国の重要文化財に登録されている「銘苅家住宅」です。
フクギ並木の通りを抜けると顔を出す立派な屋敷は、代々地頭を務めた銘苅家のものです。
琉球独特の建築様式で造られており、その風情ある姿がそのままの形で残されています。

「この石垣、なにか違うのに気づきましたか?」
ガイドさんの問いかけに辺りを見渡すと…!
銘苅家の石垣だけ、ほかとは違う整った石が使われていました。

首里城と同じ技法で造られており、ほかの住宅と比べると一目瞭然。
琉球士族の住宅として建てられたことが分かる、貴重な文化遺産です。
歴史探訪のあとは、参加者全員で夕食タイム
歴史ツアーを終えると、一度宿に戻って休憩します。
夕方の6時に、真向かいにある別館で夕食をいただきます。

夕食はとても豪華!
刺身やジューシー、もずくソーメンなど、メインや副菜でお膳はいっぱい。
写真には写っていませんが、食事が始まると、天ぷらも運ばれてきました!
どれも絶品でお腹もいっぱい。
島の食材を使った贅沢な食事がいただけるのも、このツアーならではです。
おそろいのTシャツで参加!伝統行事ウンナーへ!

いよいよウンナーが始まります!
今回参加するのは、勢理客区のウンナーです。
こちらのTシャツは、ツアーに含まれているので参加者全員でおそろいで着れちゃいます👚
勢理客ウンナーの詳細はこちらの記事から!
ツアー2日目

自由に島内散策!お好きなスタイルで島巡り
昨晩の熱狂的な祭りから一夜明け、晴れやかな空が広がっています。
朝食は宿泊施設内の1Fでいただきます。
指定されている時間内であれば好きなタイミングでOK。

和洋食なラインナップで、どれも優しい味付け。
みそ汁の温かさが体に染みわたります。
自由にコーヒーが飲めるので、朝の目覚めにもピッタリです。

鍵を返してお支払いを済ませたらチェックアウト完了。
ここからは自由に島内散策の時間です。
ちょうどこの日から新米が販売されるとのこと!
実は、伊是名島はお米の産地であることをご存知でしたでしょうか。
毎年7月中旬ごろに、県内で新米の出荷が始まるので、ウンナーツアーの時期に購入することが出来ます。

まずはじめに、新米が買えるフェリーターミナル内の店舗へ向かうことに。
「みなとのまちや」と書かれた木壁が目印。
島の特産品がずらりと並び、ここでしか買うことが出来ないオリジナル商品も多数取り揃えていました。


もずくを使ったお菓子や、米みそで作られたクッキーなどバリエーション豊富🍪
フェリーに乗る前にサクッと立ち寄りやすいので、お土産品に迷ったら「みなとのまちや」おすすめです。
懐古的な景色が広がる、伊是名島ドライブ
フェリーターミナルを後にして、島めぐりのドライブへレッツゴー🚘!
レンタカーは島内でも借りることが出来ます。
昼食は、米粉麵が人気のお店でいただきました。
島内の飲食店の情報は、観光協会の公式サイトよりご確認ください。



風になびく虹のテープ、島の温かさを感じる出港の景色

自由時間が終わるとターミナルに集合します。
いよいよ乗船!
と、その前に…
「好きな色とってください~」
と手渡されたのはカラフルなテープ。
みなさん、何に使うかお分かりでしょうか?

ボーッと汽笛が鳴ると、船が少しずつ港から離れていきます。
すると、先ほどのテープが次々と港で待つ人たちめがけて投げられます。
色とりどりのテープが見送る側の手にわたり、風になびいています。

まだ少しだけお別れを先延ばしに出来るような気持が広がりますが、それもつかの間。
島からの旅立ちはいつも、少しだけ淋しくなります。
また来よう。そう思いながら、港で見送る人々に手を振り続けました。
参加者の皆さんとも一期一会の縁。
伊是名島での二日間は、心に深く留まる島旅となりました。

ツアーを終えてみて


編集後記
今回のツアーは、宿泊施設や現地での食事・移動まで用意されており、なかなか参加できない地域のお祭りにも参加できるという大満足のツアーでした!
ウンナーが主目的ではありますが、ガイドの案内でめぐる歴史探訪もあるので、より深く伊是名島を知ることが出来ます。
いぜな島観光協会の方々がいつでも帯同してくれるので、離島初心者でも安心。
ひとり参加でも、みんなで一緒になってお祭りに参加したり、食事をしたりするので、気兼ねなく楽しむことが出来ます。
島の人々だけでなく、参加者同士の仲も深まっていく様子に、人との繋がりが生み出す温かさを感じた二日間でした。
気になった方は「伊是名島 ウンナー」で検索!
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