島のグルメとラグジュアリーな空間でのんびり贅沢に過ごす。

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青い。
そこぬけに青い。
どこまでも青い。
「宮古ブルー」と呼ばれるこの海の色。そうだ。この海が見たくて、ここ宮古島にやってきたのだ。
美しくて。鮮やかで、澄みきっていて。思わず両手ですくってゴクゴク飲みほしたくなる。

羽田発の直行便。3時間後には宮古空港に降り立っていた。

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さあ、海だ! まず、海だ! というわけでそのまま真っすぐ、海を間近に望める絶好スポットの伊良部大橋に向かう。平成27年に竣工、全長3540メートルのこの橋は、無料で通行できる橋として日本最長という。
伊良部島には、新鮮なお魚が食べられる食堂があるという。もうじきお昼ご飯の時間だ、さっそくそこへ向かいまずは食事をしよう。

カツオ漁の盛んな佐良浜にて。

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伊良部大橋を渡り、到着したのが佐良浜漁港のすぐそばにある、伊良部島漁師直売所「魚市場いちわ」である。
ここ佐良浜漁港はカツオ漁が有名で、沖縄県産カツオの約8割がここで水揚げされているというからスゴイ。
店にはいろんなメニューが用意されていた。マグロ&カツオ桶盛り丼、魚フライ定食、煮付け定食、どれもこれもウマそうだ。カニそば、伊良部まぜそばも食べてみたいが、今回は海鮮桶盛り丼を注文。

一椀で4度おいしい丼ぶりをいただく。

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ほどなく運ばれてきた海鮮桶盛り丼を見て心が踊った。新鮮なカツオやマグロ、エビやイカなど7種類もの海鮮が盛られている。
この際だから美味しい食べ方を、店主の嘉手納竜一さんに伝授していただいた。
(1)茶碗に少し盛り、伊良部島海鮮醤油をお好みでかけていただく。
(2)同じく「漁師だれ」をかけて食す。
(3)テーブルにそなえつけの「なまり旨辛漬」といっしょに食べ、アクセントを楽しむ。
(4)最後にあら汁をぶっかけて豪快にいただく。
つまり一椀で4度おいしいわけだ。さらに嘉手納さんが教えてくれた。
「漁師だれは酢味噌にマヨネーズを加えたもので、この港特有の調味料です。朝、漁から帰った漁師たちが、
捕れた魚をこれにつけてスバヤク食べる。絶妙の味ですよ」と。
そうか、つぎはぜひぜひ、漁にも同行させてほしいところだ。

下地島の新しい玄関口。

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伊良部島と隣接する下地島の西部に位置する下地島空港。
「開港40周年」という記念スタンプがある通り、1979年に開設された空港である。ただし主な目的はパイロットの養成と訓練にあり、定期便の就航はほとんどなかった。それが2019年の3月30日に新ターミナルが開業。これに伴い、成田空港への定期便が就航をはじめ、関西国際空港へも就航がスタートした。さらに国際線では香港への定期便が就航し、長年かえりみられることのなかった地方の小空港は一躍、国際空港へと変貌をとげたのであった。

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これが話題の新施設、みやこ下地島空港ターミナルである。エントランスを入ってすぐのところに、
お土産ショップ「coral port the Shop Landside」がひかえていて、さまざまな物産品を販売している。

トツゼンだがカツオブシが大好きだ。

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真っ先に目を惹かれたのがコレ、伊良部島特産のなまり節である。やわらかいカツオブシだ。
独特の香りとカツオ本来の旨みが凝縮された味わいで、お酒との相性は抜群だろう。
他にも色々な食品や酒類、雑貨など多彩な品揃えで、見ているだけでも楽しくなってくる。
さらにはターミナル限定の物産品がいくつもあり、あれもこれも買いたくなってしまった。

「お待たせしました〜、はい、どうぞ〜」。

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軽食カウンター「coral port Grab&Go」のお姉さんがニッコリと手渡してくれたのが、その名も南国ムードたっぷりの「ハイビスカスあかばなあソフト」だ。待ってましたと早速口に運ぶと、まさにトロピカルテイストたっぷりの甘みが口中に広がっていく。ピンクのソフトが目に鮮やかで、味も2倍増しの感じだ。しかし、お楽しみはこれだけではなかったのです!

カツオなまり節&海ぶどうがサンドに!

海ぶどうとは、小粒のぶどうのような形をした海藻で、ぷちぷちとした食感がクセになる。けれど、それをサンドイッチにしてしまうのはどんなものか。まったく想像がつかない。だったらここは食べてみる一手でしょう。

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注文してみたら、イメージしていたモノとは全然違っていた。サンドイッチじゃなくてホットドック形式だ。
それはそうと、この「友利さんのカツオなまり節」というのはどこかで見た憶えがあるが……そうそう、佐良浜漁港に「友利かつお加工場」というのがあったっけ。そうか、海ぶどうは添え物で、佐良浜のなまり節こそがメインだったのだ。おお、これは期待できそうだぞ! 喜び勇んでかぶりついてみれば、カツオの滋味たっぷりの逸品なのだった。旨いぞ、カツオなまり節!

こだわりの宿でのんびりと贅沢に過ごす。

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宮古島の旅は、宿にこだわりたかった。せっかくだからここは、「ラグジュアリー」なホテルでキメたい。
そこで選んだのがここ、「たびの邸宅 ヴィラブリゾート」。宮古ブルーの海と水平線を一望でき、宿泊する部屋は、各棟独立した赤瓦のヴィラ。それではさっそく、白壁のエントランスをくぐりぬけて部屋に向かおう。

想像を掻き立てる緑の回廊。

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フロント棟から各コテージへのアプローチがまた、あまり類を見ないものであった。緑の垣根にはさまれた小道が先へ先へと伸びている。まるで迷路みたいだ。なんだか胸がドキドキする。
「迷路」を進んだ曲がり角の先には、コテージの門がひかえていた。鉄製の門をくぐり抜けようやく部屋にたどりつけば、贅をつくしたプライベート空間がひろがっていた。

ホテルの部屋から海を望むプライベートガーデン。

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平屋のコテージに入ると、度肝を抜かれたのが窓の外側の光景だった。なんと専用の庭つきではないか。プライベート・ガーデンだ。しかもプールがでんと横たわり、おまけに東屋(あずまや)まである。
ちなみにこの場所で、アロマオイルトリートメントもできるそうだ。

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ベッドルームも超デラックス。写真には写っていないが、部屋にはなんとワインセラーまで備えつけられていた。外の東屋に持っていってワイングラスを傾ければ、最高の気分に決まっている。ついコルクを抜きたくなったけど、まだ夕食前なのでじっと我慢する。
この部屋を満喫するには、1泊では足りない。つぎは連泊することを心に決めた。

プライベート感満載なビーチでサンセットを堪能。

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さて。部屋のプライベート・ガーデンだけではなく、ヴィラブリゾートにはもっとダイナミックな空間がそなわっていた。ホテルから直で繋がった小道の先にあるビーチである。
フロント棟の横を通り、ゆるやかなスロープを下ると、そこには真っ白い砂浜と、キラキラ輝く海があった。贅沢とはまさにこのことではないか。
夕日が沈む海を眺めているうちに、優雅な時間はどんどんすぎていく。

波頭が立つ夕暮れの海を眺めながら。

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フロント棟の一角、ガラス張りのフロアにレストランが設けられていた。耳をすませばBGMにボサノバが流れている。これからなにか素晴らしいことがはじまる。そんな予感が頭のなかを駆け抜けていく。

創作琉球料理のコースを愉しむ。

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ディナーがスタートした。いったいどんな料理が供されるのかとワクワクする。見ればテーブルに置かれたメニュー表に、「創作琉球 月桃」とあった。どういう意味か考えてもわからないので、料理長・石井太一さんの説明を聞いた。
「琉球テイストのイタリアンです。伊良部島や宮古島の食材の海産物や農産物をたっぷり使って、
沖縄ならではの創作料理を心がけました。」との事だ。
まさにここでしか味わえない料理なのだ。期待がますます高まる。

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前菜「宮古牛のたたき 伊良部島特産かつおなまり節のトンナーソース」であります。トンナーソースとは、ツナとマヨネーズを伊良部のなまり節でアレンジしたものという。

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でもって、これが魚料理「魚料理 沖縄三大高級魚赤仁ミーバイと伊勢海老とアワビのまーす煮」なのだ。
「まーす」というのは塩のことで、「これはイタリア料理でいえば、アクアパッツァにあたりますね」と、
石井シェフ。シンプル風味な魚・エビ・貝は自然な海の滋味にあふれ、海鮮好きにはたまらない。
食後に軽くアルコールでもと思ったけれど、グルメチックなこの余韻を洗い流したくない。
今夜はもう部屋に戻ろう。

異空間につつまれて、いつしか夢の中へ。

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部屋に入って、ふかふかのソファに腰を落ちつける。外はもう真っ暗だ。プールの水だけが輝いている。どこか優美で異空間じみた光景をボーッと眺めているうち、昼間体験した伊良部島の旅のシーンが、まぶたの裏によみがえってきた。ダイナミックな景観にあふれ、ゆったりのんびり贅沢に過ごし、そしてグルメ三昧だった今日一日の旅。これ以上ない満足感にひたっているうち、いつしか夢の中へ。

Information 基本情報

魚市場 いちわ

住所 沖縄県宮古島市伊良部池間添6-19
TEL 0980-73-3909
備考

たびの邸宅 ヴィラブリゾート

住所 沖縄県宮古島市伊良部字伊良部817
TEL 0980-78-6777
備考
URL http://villabu.jp/
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