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八重山諸島

西表島

壮大なマングローブの森に癒され、海山のごちそうで西表島を丸ごと味わう

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せっかく旅に出たのに日常のTODOリストがふと頭をよぎる瞬間がある。そんな時は、思わず自分に苦笑いしてしまう。でも、圧倒的な自然を前にすると、あらゆるスイッチが完全にオフモードになる。
西表島はわたしにとって、そんな島だった。

石垣島から西へ30km、高速船で約40分。沖縄本島に次ぐ第2の大きさを持つ島でありながら、島全域が国立公園に指定されている。亜熱帯原生林をもつ300m~400m級の山々が連なり、河川の下流域には国内最大級のマングローブの森が広がる。イリオモテヤマネコをはじめとする天然記念物の宝庫とされる離島。そんな島は、ほかにない。

 

山、森、川のアクティビティが西表島の醍醐味。

地図を広げると、山の標高を示す▲マークだらけで、大小さまざまな川もある。地図と観光パンフレットを眺めていると、アクティビティに西表島の特長を発見した。マリンスポーツはもちろんのこと、カヌーやカヤック、マングローブSUP、キャニオニング(沢下り)やシャワークライミング(沢上り)など、山と川での遊びが豊富にそろうのだ。
人気のアクティビティの1つが「ピナイサーラの滝」。 “白い髭”という意味の名を持つ滝は、沖縄一の落差およそ55メートル。国立公園の白い髭だなんて・・・なんだかワクワクする。

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各種アクティビティを体験させてくれる「民宿マリウド」へ向かった。
必要なのは、濡れる覚悟と、着替えだけ!滑らないシューズとリュックサック、防水ボックスなど必要なものを貸してくれるのはありがたい。

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健康チェックシートを書き込んだら、いざ、出発。車で数分、木立に囲まれた道をガイドさんについて歩くと、突如マングローブが出現した。

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「パドルの面をできるだけ水に大きく当てると、ひと漕ぎのパワーが増します。さぁ、ゆっくりいきましょう」。ネイチャーガイドのお兄さんの案内に身を預けながら、うっそうと茂るマングローブの足元を眺めていると、片方のはさみが大きくなるカニ「シオマネキ」がそっとこちらを見ていた。

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30分~40分ほどで陸に上がって、ここからはトレッキング。木々の間に降りそそぐ光と、静ひつな森の暗さ。
そのコントラストの下ではキノボリトカゲをはじめとする数種類のトカゲが駆け巡っていた。

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しばらく歩いていると「コーヒータイムにしましょう」。ガイドさんのリュックから、ドリップパックのコーヒー、ちんすこうと黒糖、クラッカーに、マリウドの自家製ジャム。次々とおやつが出てきて、少し一休み。

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腰を下ろして深呼吸をすると、まわりから多様な生命が呼吸しているのを感じる。「少しだけお邪魔させてね」と生き物たちに挨拶をして、ひとかけらの黒糖を口に運ぶと、一気に甘さが体に押し寄せてきた。

 

亜熱帯の白い髭「ピナイサーラの滝」へ。

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30分ほどのトレッキングの先にピナイサーラの滝が出現。ここがゴールには違いないけれど、ここまでの道のりもまた素晴らしかったと滝を見上げながら思う。沖縄No1の水落を誇る滝だけあって、雄大な景色と水しぶきのミストは心地よい時間を提供してくれた。

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滝を堪能したら、またゆっくりとカヤックで川をくだっていく。

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「後ろを振り返ってみて」。カヤックの頭を回転させたらピナイサーラの滝があった。つい先ほどまであの下にいたのか・・・。漕いで、歩いて、漕いで。西表島の大自然の中、心地よく全身運動をすることができた。

 

名人のカマイ(イノシシ)を食べに。

西表島にはイノシシ料理の文化が根付いていると聞いた。リュウキュウイノシシと呼ばれ、大きくても60kgほどと小ぶりな体長が特徴。どんぐりをたっぷりと食べて、脂の甘みを重ねていくという。地元の人も通う人気店「猪狩家(かまいとぅやー)」へ足を運んだ。猪猟の解禁時期は11月中旬頃~2月中旬頃までで、解禁時期中だからこそより新鮮で美味しい猪料理が食べられる。

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オーナーはイノシシ撃ちの名人で、「山を歩いて、木の実の付き方を見れば、その年のイノシシの味を想像できる。ウラジロカシ(しいの実)ばかり食べた猪は、脂からピーナッツの香りがします」と話してくれた。

猪肉は、ワイルド。そんな印象を覆す、やわらかなお肉は上等の牛ロースのような食感だった。いわゆる獣的な香りは皆無。黒紫米のごはんに、八重山そばもついてボリュームたっぷり!

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猪狩家オーナーの本業はサトウキビの生産農家で、食堂には製糖工場が併設されている。人気の自家製黒糖は、粘り気のある品種、サッパリした品種など性質の異なるサトウキビをブレンドしているそう。サトウキビにいくつもの品種が存在することを、西表島で初めて知った。

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記憶に鮮明に残ったサトウキビ100%のジュース。小さな搾汁機で少しずつ絞ったもので、さらりと洗練された甘さが喉を滑り落ちていく。
ここでしか味わえないかけがえのない1杯。

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宿へ向かう前に国の天然記念物に指定されている「古見のサキシマスオウノキ群落」へ。
そんな場所にふらりと寄れるところがまた西表島の魅力でもある。

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地面からぐっと隆起する薄い板のような根は、湿地林で生きていくための術なのだなと、この島の気候風土に想いを馳せる。

 

夕食は全員で「いただきます」――農家民宿で過ごす島の夜。

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「民宿マナ」へチェックイン。木々に守られるように建つ赤瓦の建物。数年間、陶芸作家のギャラリーとして使われていたことがあるうつくしい家屋。一棟貸しの1日1組のみ。特別感が気分を盛り上げる。

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ひんやりと冷たい床、島の歴史書から児童書まで蔵書がずらりと並ぶ壁。ここで静かな夜を過ごすのかと思っていたら、こんなに本があるなんて、嬉しいかぎり。
「夕食時には母屋へいらしてくださいね」。午後7時、敷地内の母屋で島を丸ごと味わうにぎやかな時間がスタートした。

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農家民宿マナの食事は、オーナー夫妻、宿のスタッフの方と宿泊客がテーブルを共に囲むスタイル。食材はすべて地元のもので、「購入したものは・・・少ないかもしれない」とご主人の石原和義さん。「海で魚を釣り、畑で作物を収穫し、川で海藻を摘んできたから。カニはご近所さんにもらったものだしね」。

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・ミーバイ(アオノメハダ)のレモングラス蒸し
・ジャガイモと肉のそぼろ煮
・ローゼルの梅びしお風
・マグロとカーナのサラダ
・赤瓜(モーイ)をローゼルで色付けした漬け物・・・etc.

忘れがたいのが「ミーバイのレモングラス蒸し」。ジューシーに蒸された白身。クリアに澄んだスープ。レモングラスが爽快に香りつつ、スープを口に含むと言いがたい旨味に満ちている。ミーバイのマース(塩)煮はこれまで何度も食べたことがあるけれど、スープも、崩れた小さな身さえも、残さず飲みつくしたのは初めて。

「味付けは生姜と泡盛、塩、オリーブオイル、あとはレモングラスだけですよ。ミーバイはいつでも獲れるし一年中おいしい魚なんです」とは言うけれど、この上品な仕上がりには絶対に秘密があるはず。次は料理を教えてもらいたいな・・・。肩越しにキッチンを振り返ってそんな風に思った。

 

いたるところに、パワフルな畑がある。

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翌朝、和義さんが周辺を案内してくれた。放牧されていた牛たちは、近づくとワラワラと集まってくる。
人懐こく、なんともかわいい。

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ミーバイのレモングラス蒸しに感動したことを熱弁していたら、レモングラスをお土産に持たせてくれた。ハーブティーにすれば、清らかな香りが立ち上る。

あっという間の1泊2日だった。旅先ではつい欲張りになってしまうけれど、やりたいことリストや行きたい店リストをせっせと作り、せっせとこなすことに疲れてしまうこともある。でも、マナでの夕食を終えた後、私はそこで旅のノートを閉じてもいいと思った。テーブルの上には島の人々の営みがあり、山の恵みも、川の味わいも、海のご馳走もすべてが詰まっていて、すっかり満足してしまったのだ。

西表島はひと言でいうなら「すっぴんの観光地」。どの名所も普通の顔をして、島のいたるところに存在する。つられて自分の身も心も、すっぴんになる。また、来よう。マナの皆さんとお酒を一緒に飲みながら、島の話をもっともっと聞きたい――。

Information 基本情報

マリウド

住所 沖縄県八重山郡竹富町字上原984-14
TEL 0980-85-6578
備考
URL http://mariud.com/

猪狩家(かまいとぅやー)

住所 沖縄県八重山郡竹富町古見784-10
TEL 0980-85-5523
備考
URL http://iriomote-kamai.com/

農家民宿マナ

住所 沖縄県八重山郡竹富町古見202
TEL 0980-85-5656
備考
URL https://www.facebook.com/mana.iriomotejima/

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