島ごとに空気感が異なるのも、沖縄離島の魅力のひとつ。それを全身で体感するのにおすすめなのがヨガだ。呼吸に意識を向け、心の声に耳を傾ける。ゆったりした時の流れや自然の音に包まれながら体を動かすのは最高のひととき。その土地が持つパワーを感じながら、ヨガで心と体を開放させる。そんな体験がしてみたくなり、沖縄の離島を訪れてみた。
神の島で心をととのえる
沖縄でもっとも神聖な島といわれる久高島(くだかじま)。地元では、神の島とも呼ばれ、琉球開びゃくの祖「アマミキヨ」が最初に作ったとされる島だ。
早朝、集落に近いピザ浜へと行ってみる。少しずつ昇りはじめた朝日に合わせるように、ゆっくりと体を伸ばしていく。海の彼方には、神々や生命の源である「ニライカナイ」があるんだよと、島の人が教えてくれたことを思い出す。
海風が心の中のモヤモヤを吹き飛ばしてくれたようで、スッキリとした気分で宿に戻った。
ヨガの後は、島の特産品イラブー(エラブウミヘビ)を使ったイラブー汁を味わう。昔から滋養強壮、不老長寿の薬として重宝され、おもてなし料理だったという。
見た目にちょっとビックリしたけど、深みのある味わいに箸が進んだ。するとカラダがポカポカになって、ひと口ごとにパワーがチャージされていくようだった。
食事を済ませたら、島を散策してみる。集落内は細い道が多いので、小回りがきく自転車が便利。やわらかな風に後押しされながら、のんびりとペダルを漕ぐ。神聖な島には立ち入りができない場所もあるというので、気をつけながら自転車を走らせた。
島の北側には、大きなガジュマルの木があり、太い幹や広がった枝、青々と茂る葉からは、荘厳な雰囲気を感じる。神の島と呼ばれているので、島のものすべてから神秘的なエネルギーが発せられているようだ。
島ヨガでカラダをととのえる
次に向かったのは、慶良間諸島(けらましょとう)の座間味村(ざまみそん)のひとつ阿嘉島(あかじま)。島にはたくさんのビーチがあって、どのビーチも本当に美しい。「ケラマブルー」と称される海を見ながら体を動かす。波の音が心地よくて、ひとつ一つのポーズに集中できた。
ビーチヨガの後は、阿嘉島と橋でつながっている慶留間島(げるまじま)へ。自転車で橋を一気に渡る。それぞれの島には独特の時間が流れていて、雰囲気も異なる。その変化を感じ取りながら、島を一周した。
宿へと戻る途中、夕日があまりにもきれいだったので、すぐにウェアに着替えてビーチへ向かった。ゆっくりと沈む太陽に見守られながら、自分のペースでゆっくりと深い呼吸を繰り返す。次第に体がほぐれて、心にやすらぎを感じる。何より、全身が伸びて気持ちいい!
宿泊者だけが体験できるのが、夜空の下でのヨガ。漆黒の空に輝く星たちを見ながらのナイトヨガは、一日の疲れを癒やしてくれる。あらゆるものに感謝しながら、心もカラダもリラックス。
島の自然に癒やされてリトリート。心と体が癒される、ゆったりとした贅沢な時間が過ごせた。
出典記事:ヨガジャーナル