粟国島の魅力をとことん深掘る!

粟国島の地域おこし協力隊として活動し、任期満了後は島で「AGUNI_FAN」というパン屋さんとゲストハウスを経営している宮本真理(みやもと まり)さん。自称「島マニア」というほど沖縄の離島を巡り、移住先には迷わず粟国島を選んだそうです。移住9年目の今でも粟国島の大ファンという真理さんに、その魅力を教えてもらいました!

那覇から飛行機orフェリーで粟国島へ!

粟国島は、沖縄本島の那覇から北西約60kmの海上に位置し、周囲12kmほど。車で観光名所を巡っても1時間以内では一周できます。島を囲むのは、透明度が高くウミガメも生息する美しいサンゴ礁の海。島には、自然が生み出した巨大な割れ岩や鍾乳洞が存在し、ダイナミックな造形美も見られます。

粟国島へは飛行機かフェリーでアクセスが可能。飛行機の場合、第一航空株式会社の小型航空機を利用します。月・火・水・土曜日と週に4回、那覇と粟国を1往復していますが、メンテナンスなどで運休もあるので事前に確認が必要です。
那覇からは9時に出発し、9時40分頃には粟国島に到着。フライト時間は15~20分です。

フェリーは基本的に毎日1往復運航。那覇の泊港を9時30分に出発し、11時30分に粟国港に到着します。飛行機より時間がかかりますが、慶良間諸島の島々を眺めることができるので海の旅もおすすめです。

到着後、粟国村観光協会のビジターセンターでレンタカーを借り、まずは島をぶらりとドライブ。道中、ウシやヤギに遭遇。みんな大人しく、ジーッとこちらを見つめる姿がなんともかわいらしい!島を訪れたのが11月だったので観光シーズンには賑うのかなと思いきや、聞くところによると夏も静かだといいます。観光地化されていない、のんびりとした空気感に包まれた、いわゆる離島らしい離島です。

離島といえばキレイな海!早速、島の東側にある「ウーグの浜」に行ってみました。ここは全長約1kmある天然のロングビーチ。真っ白な砂浜とクリアブルーの海だけが目の前に広がります。波が穏やかで透明度の高い海なので、浅瀬でもウミガメが見られることも。誰もいないので、ビーチのブランコも童心にかえって思いっ切り楽しめます。

島で唯一のパン屋さんを営む

島の南側の浜地区にあるパン屋さん「AGUNI_FAN」のオーナー、宮本真理さんを訪ねました。真理さんは、2013年に初めて粟国島を訪れた際に「こういう島に住みたいと思った」と言います。観光地化が進む他の離島にはない、静かさや不便ささえも魅力だといいます。「知られていない観光資源もたくさんあるので、もっと粟国島を有名にしたい!」とう気持ちが募り、2016年の4月に地域おこし協力隊に就任。3年間、特産品開発やイベントなどに携わり、任期満了後はパン屋さんをオープン。現在はゲストハウスも1棟経営しています。 「島に道の駅のような場所があったらいいなと思いました。情報交換の場をつくりたい、私にできることを考えてパン屋さんにしようと。島の人も観光客も気軽に立ち寄れる、サービスエリアのようなスポットを目指しています」と真理さん。島の人たちとの繋がりも大切にしたいと思い、積極的に小学校の絵本読み聞かせボランティアや島の観光会議などにも参加しています。

また、島の暮らしや風景などもSNSで発信。「たくさんの人に来島してほしいので、移住の暮らしぶりや島の様子を伝えています。粟国島にルーツがある人にUターンや孫ターンで戻って来てもらいたい。移住者でも仕事して暮らせているんだから、自分にもできる、と思ってほしいです。人口はどんどん減る一方なので、島民を増やすのも課題ですね」と、島の将来を真剣に考えています。
「島の役に立ちたい」という想いが、真理さんの行動一つ一つに繋がっているようです。

そして、根っからの広島カープファンというのも真理さんのアイデンティティの一つ。「AGUNI_FAN」という名前には、自分自身が粟国島のファンということ、粟国島のファンを増やしたいということだけでなく、「粟国島にいる広島カープファン」という意味も込められています。「私の名前を知らなかったり、忘れちゃったとしても、『広島カープファンの人はどこにいますか?』っていえば通じるようにもしたいです」と真理さん。実際、カープファンの間では知られた存在のようです。

粟国島を有名にしたい、粟国島の役に立ちたいと強い意志がありますが、しっかり自分の暮らしや生き方も大切にしていると話す真理さん。家族や友人がいる故郷の埼玉県も真理さんにとっては帰りたい場所。「親も大事にしたいので年に数回、帰省しています。これだけ自由に行き来できる時代なので、離島移住は昔より気軽だと思いますよ。移住した今の方がフレキシブルかも」と、生き生きとした表情で話してくれました。

真理さんのガイドで歩く、粟国島さんぽ

そんな真理さんは、観光協会からの依頼でおさんぽガイドも担当。「好きな言葉は相乗効果。おさんぽガイドはお客様を楽しませるのが一番ですが、私も楽しいし運動不足の解消にもなり、win!win!です」と、真理さん。「家族や友人が島に遊びに来てくれたら、全力で楽しんで帰ってもらいたい。粟国島の魅力をちゃんと知ってもらいたいので、1日を隙間なく案内したいくらいです」と、ガイドにかける想いも熱いです。そんな真理さんに少しだけおさんぽガイドをしてもらいました。

まずは、島の先端部にある「マハナ展望台」へ。海抜約90mの高さにあり、地球の丸さを感じる絶景スポット。西側には久米島、南側には慶良間諸島、東側には沖縄本島と伊江島を眺望できます。ここは、友人とお弁当を持ってピクニックに来たり、ゆったりと夕日を眺めるなど、真理さんのお気に入りの場所です。

次に訪れたのは真理さんイチオシのコース、「ヤマトゥガー」から「ヤヒジャ海岸」を散策します。岩と岩の間が1m程度しかない、自然にできた割れ岩「東(あがり)ヤマトゥガー」の間を通って海岸へと向かいます。

「この場所、すごくないですか?ごつごつの真っ黒い岩や剥き出しの断層が、まるで違う惑星に来たみたい!」と、真理さん自身も興奮気味。青く穏やかな見慣れた沖縄の海ではなく、岩場や断崖に囲まれた荒々しい海岸は地球の息吹を感じ、異世界に来た感覚が楽しめます。

見どころの一つでもある断層は、他の島にはない独特の風景。足元を見ながら海岸を歩き、ふと顔を上げると目の前にカラフルな断層が現われ、思わず「わー、すごーい!」と声を上げてしまいました。一番上の黒い部分は玄武岩質の溶岩、その下には溶岩の熱で酸化し赤く変色した凝灰岩や火山灰が堆積した灰色の凝灰岩など、と地層の説明をしてくれる真理さん。「火山の島なので、たくさんの溶岩があるんです。こんな風に溶岩が流れてきて、こうやって隆起して、と想像すると楽しいですよね!」と目を輝かせます。

「ヤヒジャ海岸」まで歩くと、真っ白な断崖が目の前に!「白色凝灰岩といい、朝日が当たるとより白く輝いて見えてキレイなんですよ」。実は真理さん、学生時代は写真部に所属。よりよい写真が撮れるよう、時間帯や日の当たり方、潮の満ち引きまで考えて案内してくれます。また、地元の人でも行かないような穴場スポットもよく知っています。「この時間帯はここから日が射して幻想的」など、島を知りつくしている粟国ファンならではの視点がとってもユニーク!

自宅のように寛げるゲストハウス「AGUNI_FAN」

おさんぽガイドの後は、ゲストハウス「AGUNI_FAN」でちょっと休憩。こちらは1棟貸しなので、家族やグループでの宿泊もおすすめです。オープンしたのは2023年の6月。パン屋から徒歩2分ほどの場所にあります。

古いお家ですが、とてもきれいにリフォームされています。広々使えて、田舎のおばあちゃん家に遊びに来たような懐かしさ。オープン1年半ですが、既にリピーターもいるそうですよ!

SNSを通じて粟国ファンやカープファンと繋がっているので、全国に真理ファンもいます。その方々がゲストハウスのオープンにあたって、いろいろとお祝いを送ってくれました。革細工のトレーに、レトロなホテルのようなキーホルダー。そのほかにも、人とのご縁が感じられる品がところどころにあります。「たくさんの人の優しさで生きています」という真理さんですが、明るくフレンドリーなお人柄の賜物。私もすっかりファンになりました!
一度会えば、あなたも真理ファンになるかも!?

沖縄の他の離島にはない、独特の景観が楽しめる粟国島。どの場所、どの風景に対しても真理さんはその魅力を語れます。粟国島に行くなら、ぜひ「AGUNI_FAN」を訪ねてみませんか。

Information 基本情報

Bakery cafe AGUNI_FAN

住所 沖縄県島尻郡粟国村浜109
TEL 090-4432-8438
備考 営業日:土日
営業時間:12:00~13:30、15:00~18:00
URL https://www.instagram.com/aguni_fan/

Guest house AGUNI_FAN

住所 沖縄県島尻郡粟国村浜211
TEL 090-4432-8438
備考
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