久高島とは、沖縄本島南部、南城市知念岬の東約5kmの海上に位置する、周囲約8kmの小さい島。ここでは、土地は「神様からお借りしているもの」と考えられています。琉球の創造神・アマミキヨがこの地に降りて来たという伝説も有名です。スーパーもコンビニエンスストアも、娯楽施設もない久高島で、都会の喧噪を忘れ、大きな自然に包まれ、気分をリフレッシュさせましょう。
久高島へ行くには、沖縄本島の南城市安座真港からフェリーなら約30分、高速船で約15分、
もしくは海上タクシーなどもあります。フェリーや高速船は約1時間に1本(※12、13、15時台はなし)なので、事前に出発時刻を確認しておきましょう。
待合所には、久高島に入るにあたっての注意書きがあります。主に、島の住人でさえ立ち入れない区域があることや、島をキレイに保つための一文が書かれています。人の手で汚れてしまい、足を踏み入れることができなくならないように、私たちも肝に銘じておきたいところです。
船内は空調が効いているので、羽織りを持参しておきましょう。
往復チケットを購入。帰りは何時の船に乗っても大丈夫です。
イシキ浜
久高島に到着すると、早速クバ笠を被ったガイドさんに案内されて久高島一周の旅がスタート。
久高島は禁忌や立ち入り禁止スポットも多くありますので、ガイドさんに事前に確認しましょう。
まずは島の中程にあるイシキ浜に到着。空気がとても穏やかなイシキ浜は魂が帰る場所「ニライカナイ」(※人間界とは隔絶された「異界」と伝えられています)から来訪神が島に訪れる時に船が停泊するとされる場所でかつて琉球国王も訪れていた神聖な浜です。(遊泳は禁止されています)
旧暦のお正月にイシキ浜の石を持ち帰り、来年のお正月に戻しにくることが島の人々の習わしなのだそうです。お守りみたいなものですね。
※但し、島の住民以外は持ち帰ってはいけません。
続いてシマーシ浜に到着。手作り感満点の看板が出迎えてくれます。
ここには、約2千年前のものとされる貝塚があります。草木に隠れて多少大きな岩もあるので、足元には要注意。
島の最北端、カベール岬に向かいます。ここはCMのロケ地でも有名な場所です。
道の周辺にある、幹が高くそびえ上部に葉が茂っている木はクバの木といいます。この木は、神様の降り立つ神聖な木。街路樹として使われています。
島を巡る手段としてレンタサイクルもおすすめ。のんびり自分のペースで島中を巡ってみるのもオススメです。一人で回るときは立ち入り禁止区域などに注意しましょう。
カベール岬(久高島では、はびゃーんと言います)は、琉球の創造神・アマミキヨが降り立った場所と言われる伝説の岬です。地元の人々からも、竜宮神が鎮まる(しずまる)ところという神聖な場所として、崇められています。
琉球神話では、神様は海の向こうからやって来たといわれており、神事でも、地元の人が水平線の向こうを拝む姿をよく見かけます。こうして遥かに続く水平線を眺めていると、確かに神聖なパワーを感じます。
続いて琉球の七大御嶽(ウタキ)「フボ-御嶽」に来ました。ここに足を踏み入れることができるのは、神職に携わる一部の女性だけとのこと。何人たりとも出入りを禁じる、島のなかでも最高の聖域…とあります。もちろん観光客も立ち入り禁止なので廻るときはご注意ください。
「フボ-御嶽」は、先祖の魂が宿り、普段は草木1本も取ることが許されない神聖な場所。立ち入り禁止の看板から先へ入ってはいけません。手前で静かに参拝しましょう。
神女さん達が禊(みそぎ)に使う井戸があるヤグル川(やぐるがー)に行ってみます。ちなみに、沖縄では川や湧水のことを「ガー」と表現します。
神女が禊に使う神聖な井戸。イシキ浜の波間に、五穀が入った壺が流れ着いた時、この井戸で身体を清めたら壺を手にする事ができたという伝説が残っています。
御殿庭(うどぅんみゃー)
イザイホーの主祭場。イザイホーとは島に伝わる重要な行事で久高島で生まれ育った既婚女性が神女となるための就任儀礼で、12年に1度、午年に開かれていました。
イザイホーの際には神アシャギの奥の森に女性達が籠り(こもり)、祖先の霊力を授かり神女として生まれ変わると言われていました。※現在イザイホーは行われていません。
※神アシャギとは、祭祀用の建物
御殿庭(うどぅんみゃー)向かって左側にイラブー燻製小屋がありました。イラブーとは、エラブウミヘビのこと。久高島のイラブーの薫製は、沖縄のなかでも最高品質と珍重されています。祭祀ではお供えされるもので、滋養強壮剤としても知られています。
これが、島の貴重な伝統料理となる前のイラブー(エラブウミヘビ)です。熱湯でゆであげた後、薫製小屋に入れ、1週間薫製します。今でも経験者のおばぁが暗闇の中、手づかみで行う漁が
伝えられています。
※イラブーに噛まれると危険な猛毒がある為、決して真似しないでください。
では、いよいよイラブ―汁をいただきます。旨味が溶け出した滋味豊かな味のスープをいただくと、体の芯からじわじわと温かくなってきます。
イラブーの身は、骨離れがよく食べやすくてあっさりしています。コラーゲンも豊富で、次の日はお肌プルプル!に期待できます。島の人々が長寿でいられるのは様々な滋養があるといわれるイラブーのおかげかもしれませんね。
久高島は島全体が聖域であり、神事なども多く行われる場所です。島の方々の生活の邪魔にならないように散策しながら自然のエネルギーを感じましょう。そして感謝の気持ちを忘れずに。
お問い合せ先 | NPO法人久高島振興会【今回の取材先】 |
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所在地 | 沖縄県南城市知念字久高249-1 |
TEL | 098-835-8919 |
kaminoshima@kudakajima.jp | |
ガイドツアー |
※プラン詳細、お申込みについては上記「お問い合せ先」までお願いします。
お問い合せ先 | とくじん |
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所在地 | 沖縄県南城市知念久高249−1 |
TEL | 098-948-2889 |
おおよその所要時間:半日