ゆったりと時間が流れる渡名喜島で
のんびり大人の休息旅

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渡名喜島の魅力は、ゆったりと感じられる雰囲気だ。豊かな自然や昔から変わらない集落の景色が残っており、島にはショッピングモールやコンビニエンスストアなんて見当たらない。「なんにもないさ〜」と島の人は言うけれど、都会の喧騒を忘れて過ごす時間は、何よりも贅沢な気分が味わえるはず。

 

船に揺られて渡名喜島へ。到着後は観光案内所で情報収集

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渡名喜島へは、那覇市の泊港からフェリーで2時間ほど。
船内は広々としているから、中で過ごしてもいいし、屋上デッキから景色を眺めるのも気持ちがいい。
船旅は到着するまでの時間をのびのびと過ごせるのが良いところ。
揺れが少ないのでゆっくりとガイドブックをめくっていたら、これからの旅への期待がふくらんできた!

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島に到着したら、まずは港のすぐそばにある観光案内所へ行って情報収集。
もらったマップを片手に、「タイミングが良ければ朝や夕方に港でウミガメを見ることもできますよ」とおすすめのスポットを教えてくれたスタッフの刑部(おさかべ)さん。
散策コースの相談をしたり、島での注意点などを丁寧にアナウンスしてくれた。
ほかにも島の食事処や自転車が借りられる場所など、必要な情報はここで得られる。

 

定番のソーキそばも、島で食べるとよりおいしい

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お昼ご飯は島の食事処ふくぎ食堂へ。
「渡名喜島へいらっしゃい!」とお店の人が笑顔で迎えてくれる。古民家をそのまま残した店内は、どこか懐かしくてほっとする空間だ。
お店一番の人気メニュー・ソーキそばは、骨からお肉がほろりと外れるほどじっくり煮込まれたソーキ肉が絶品。
移住して5年目というスタッフの前川さんに島の魅力を聞いてみると、「自然がすぐ近くにあることかな。昨日もすごくキレイな夕日だったんですよ」とお気に入りの場所で撮った写真を見せてくれた。
島の人しか知らないスポットは、ガイドブックには載っていないもの。現地ならではの嬉しい情報に心が踊った。
※2020年12月1日現在、ランチタイムはお弁当のみの提供となっています。

 

ダイナミックな自然や悠久の歴史にふれる

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腹ごしらえをした後は、集落から一足伸ばしてアマンジャキ(旧道)へ。かつて、満潮時になっても通れるようにと崖下に石を積み上げて作られた道が、今も大切に残されている。
海風を感じながら自然のダイナミックさを存分に味わった。
ふと、海の方を見てみると、ウミガメがひょっこり顔を出していた!シャッターチャンスは惜しくも逃したけど、初めて見るウミガメに感激!

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次に向かったのは、島の東側にある信仰地「里御嶽(さとうたき)」。
ひと休みしながら東屋に立ち寄ってみると、集落一帯が見渡せた。
緑の山に赤瓦の屋根、船が寄る港まで、渡名喜島の景色を独り占めできる穴場スポットだ。
日陰で涼しい風が通り抜けるので心地よく、じんわりかいていた汗もすっとひいた。

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御嶽に到着したら、まずは神様にご挨拶を。里御嶽は14〜15世紀頃の遺跡で、周辺では生活で使われたとされる土器や陶磁器、鉄釘などが発見されている。
静寂で神聖な雰囲気のある中、「島での時間を見守ってください」とご挨拶した。

 

時間ごとに違った表情を見せる、美しい集落

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島をぐるりと周ったら、集落に戻ってゆるりとお散歩タイム。集落全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、緑のフクギ並木に琉球石灰岩で積まれた石垣、赤瓦の家が立ち並ぶ。
映画のロケ地にもなった集落は、島のこどもたちを中心に竹ぼうきで掃き清められている。
大正時代から約100年以上も続けられており、昔から変わらず島民で掃除をしてきたからこそ美しい白砂の道が守られていて、とてもきれいだ。
石垣の上に飾られた貝殻や木陰で眠っている猫を見つけて、ついつい足がとまってしまう。

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周りの風景を見ながら歩いていると、どこかから子どもたちの明るい声が。
どうやら放課後に集まって遊んでいるよう。「何してるの~?」と、みんなで石垣に座って楽しいおしゃべりタイムの始まり。
学校での出来事や今日の夕御飯など他愛の無い話で盛り上がったので、一緒に写真を撮ろうよと声をかけるとシャイな男の子たちは向こうへ行ってしまった。

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段々と日が暮れてきたら、集落内の道にフットライトが点灯する。
あたたかなオレンジ色のランプに照らされたフクギ並木と石垣が、昼間とは異なる幻想的な空間を演出。
都会のイルミネーションも素敵だけれど、自然の風景を優しくライトアップしたこの眺めはとても美しく、思わず見惚れてしまった。
島に泊まった人だけが楽しめる特別な景色だ。

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朝を迎えた渡名喜島は、フクギ並木に木漏れ日が差し込んでとても気持ちよく、その素朴な景色に心が癒やされる。何もせずに海でゆったり過ごしたり、景色を眺めながらのんびり散歩を楽しむのが、こんなにも贅沢な時間だったなんて。
小さな島での何気ない出会いが、旅をより豊かなものにしてくれた。
またひとつ、大切な思い出が増えた。

 
 
 

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