予備知識なしで楽しむ!思い立って気軽に出かける!
“ハイライトスポット巡り”で伊是名島を大満喫!

琉球の美と歴史浪漫が詰め込まれた贅沢な島、
伊是名島を訪ねる!

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海にそびえる巨岩。島の人々はこの岩を、“海ギタラ”と呼ぶ。見る者を圧倒するこの神秘的な景観に出会えるのは、沖縄本島北部に位置する伊是名島。本部半島の運天港から、「フェリーいぜな尚円」に乗れば約55分で、この美しい島を訪ねることができる。

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ところで、この凛々しき銅像の男子はダレか? 写真の通り、かなりのイケメン! 島中の娘たちのあこがれの的で、娘たちは皆、彼の手伝いをしたがったという逸話が残るこの青年、金丸こそが、中央集権体制を整え、琉球王国が大躍進する時代を幕開けさせた人物、のちの尚円王(在位期間: 1470-1476)なのだ。そしてこの尚円王が若き日々を過ごした地が、いまから訪ねる伊是名島なのだ。

琉球歴史浪漫の玉手箱のような島だから
しまんちゅガイドと歩きたい

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伊是名島の港に船が近づいてくると、「船から降りていらっしゃったら分かる場所でお待ちしていますね!」と、携帯電話に連絡が。メールの主は、伊是名村公認・島巡りガイドの比嘉陽子(ひがようこ)さん。

琉球国の歴史を動かした尚円王ゆかりの伊是名島を訪ねるのだから、ぜひとも地元ガイドさんのお話を伺いながら歩きたいと思い調べるなかで、島で暮らしている比嘉さんのことを知り、あらかじめお願いをしておいたのだ。フェリーを降りると……、ああ、きっとこの方だ!さあ、挨拶を交わしたらすぐさま地図を片手に、この島だからこその魅力が詰まっている伊是名島の〝ハイライトスポット巡り〟に出発だ。

集落を守る防風林、フクギの秘密

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最初に向かったのは、島の南にある伊是名集落。そこでいきなり驚いた。なんて風情ある集落なのだろう! 赤瓦屋根の家々を囲む石積みは、薄いサンゴ石を幾重にも重ね造られ繊細な印象。それぞれの屋敷の敷地は広く、ゆったりとしている。

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ふわりと風が吹くと、フクギの葉がくすぐったいような音をたてた。どっしりとしたフクギの幹と大きく艶やかな葉に、太陽光が降り注ぐ。「きれいですね」と言うと、「フクギは“水の多い木”なのかなと思います」と、比嘉さん。下へ下へと根を張る性質を持つフクギは、防風の役割を果たす屋敷囲いに適している。そうしてその根は深くにある地下水に達し、水で幹を満たし豊かに葉を茂らせて、大きな日陰も作ってくれる。しかも台風の潮にも枯れず、家々を守っていると。「昔は、庭の井戸で子どもたちが水遊びをするから、それが打ち水になって涼しかったという話も聞きますよ」とも。

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比嘉さんは、県外からこの島に嫁いでこられた方。初めて伊是名島を訪ねたのは映画の仕事でだった。映画美術の仕事を20年以上続け、いくつもの話題の映画に関わってきた比嘉さんは、この島がロケ地となった中江裕司監督の『さんかく山のマジルー』では美術監督を務めている。つまり比嘉さんは、“目の前にあるものの魅力を見つける目”をもつプロなのだ。そしてそんな優しいまなざしを持つ比嘉さんが紡ぐ言葉は、目の前に広がる伊是名島の暮らしの風景をあたたかに輝かせてくれた。

尚円王ゆかりの地めぐり

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ここは、「みほそ所」。尚円王が生まれた屋敷があった場所。尚円王(即位前の名は金丸(かなまる))は24才まで、米作りなどに励みながら伊是名島で暮らしていたという。だからこの島には、王ゆかりの場所がいくつもある。辺りには常緑樹が茂り、神聖な場所でみかけることが多いクバも林立。「神聖な場所なんですよ」、と比嘉さん。そして、にっこりと微笑み、「ところで〝みほそ〟ってなんでしょう?」と突然のクイズ。さて、その答えは? 答えは、島を訪ねてのお楽しみに!

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みほそ所から比嘉さんが指差す木立の向こうを見ると、おお! 金丸(尚円王)像!!のちに一国の王になる青年の、英気満ち溢れる凛々しき姿。

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みほそ所の入口近くの茂みには、この金丸が馬に乗るときに踏み台にしたという、「くだみ石」が残っている。足をこの石に乗せ、記念写真をパシャリと撮りたい場所撮ろう!

旅の人にも、島の人にも愛される
伊是名ビーチの魅力いろいろ

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島を訪ねる旅人たちの多くが立ち寄るというこの島屈指の砂浜、伊是名ビーチは、伊是名集落の目前に広がっている。ビーチをゆっくりとくつろぐお気に入りの場所としているしまんちゅも多いとのこと。

朝、今日の島めぐりに出発する前に立ち寄ると、そこには誰もいない静かな海が広がっていた。すると同行のカメラマンが、「夏に伊是名ビーチで泳いだことがあるんですけど、サンゴがとてもきれいで驚いたんです! やっぱり離島は違うな~って思いました」と言った。世界中の海に潜ってきた彼がいうのだから、相当きれいなのだろう。

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今回お世話になった宿の女将さんが、「伊是名ビーチは夕陽がすばらしいんですよ!これ、この前撮った写真なんです」と、携帯電話に記録された黄金色に輝く海辺の写真を見せてくれた。夕方……、ふたたび伊是名ビーチへ。夕暮れ時の海はただただ静かで、まもなく空も海も、いろいろな紫色にと染まっていった。

絶対に訪ねたい! シラサギ展望台
神々しい地形に度肝を抜かれる

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ピラミッドのような三角山が座る、この不思議な光景を眺められるのはシラサギ展望台。しかも、くるりと反対側を向けば、なんと、冒頭一枚目の写真に写るあの巨岩、“海ギタラ” そびえる海岸が続いている。この展望台の左右に延びる海が、日本の渚百選に選ばれた二見ヶ浦海岸なのだ。それにしても個性的な景色! 誰もいない砂浜、広がる海の南国色、並ぶ奇岩、整った三角の山……。横に居る比嘉さんに、初めてこの風景を目の当たりにしたときどう思ったか訊くと、「完璧!」と笑った。本当に、そのとおりだと思った。

カスタマイズもOK!
自分好みの伊是名島の旅を作ろう

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「ここは、私の一番のお気に入りの場所です」と、連れて行ってくれた場所がある。草木が生い茂る山の小道をしばらく行くと突如、ぶわっと視界がひらけ、……息をのむ。そこは、天から舞い降り島を眺めているような、そんな気分になれる場所だった。

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伊是名島の地形は、とにかくダイナミックで独特。山も海岸線も集落も、それぞれに際立って個性的だった。神が創った箱庭のような、美しいものが凝縮された島。比嘉さんの案内で伊是名島をめぐっているうちに、そう思い至った。

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「シラサギ展望台」から見えた三角山の麓には、尚円王の家族や親族が眠る「玉御殿(たまうどぅん)」がある。王府により築かれた石造りの墓で、関係者によって琉球独自の祭祀が今なおとり行われているそうだ。平成29年には国指定重要文化財にも指定。見あげると、背後にそびえる岩山の上にも伊是名城跡の一部である石積みが見える。

歴史に迫りたい、集落を歩きたい、自然を感じたい! 比嘉さんは、十人十色の願いに寄り添う伊是名島巡りのコースを提案してくれる。船も所有しているので、クルージングや隣の伊平屋島への海上タクシーも対応できるそうだ。

夜の砂浜に寝転び星を眺める

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最後の晩は、ナイトツアーにも参加。季節や天気、それから要望に応じて、訪ねる場所や内容は変わるのだけれども、この晩はとある海辺へ。夜の砂浜に大きな布をふわりと広げて寝ころがると、星空に包まれた。

星空を眺めながら、比嘉さんはこんな話をしてくれた。
比嘉さんは子どもの頃、引越しが多く、ひとつの地域に長らく腰をすえることがなかったそうだ。だから映画の撮影で数カ月間伊是名島に滞在したとき、島の方々が皆、お互いをわかるという島の世界に強い憧れや、うらやましさを感じたと。そして比嘉さんは縁あって結婚、この島の住民になった。今回楽しんだ伊是名島のハイライトスポット巡りのコースは、村とプロのサポートのもとしまんちゅが主体となって作りあげたものだ。知り合いに案内されているような気さくな雰囲気で、バラエティーに富む地元選りすぐりの名所旧跡を3時間ほどで巡りながら景色を楽しみ、伊是名の歴史と尚円王の生き様の物語を知ることが出来る。

こうして伊是名島を満喫したこの時間は、島の方々の我が島への思いと、島を思う人々の絆が紡いだものだったのだ……。

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目を閉じると、足元の方で砕けるさざ波の音。のちに尚円王として琉球国の舵をとることとなる金丸少年も、こうして浜辺で波音を聴き、未来へ思いを巡らした日があったのかもと。その同じ音を、いま自分も聴いていると想像すると、明るい力が湧いてくるようだった。そうして目を開けると、……わっ! 流れ星!!

次は、初夏に訪ねクルージングも楽しみたいな。比嘉さん、またよろしくお願いします!

Information 基本情報

H・Yマリン(えいち・わいまりん)

住所 沖縄県島尻郡伊是名村諸見4939-2
TEL 070-3995-8051、もしくは090-3414-5071(船長直通)
備考 営業時間 8~21時(電話でのご予約等受付時間)

休み 不定休

備考
◆『伊是名島ハイライトスポット巡り(3時間)』6,000円~
◆『日帰り 伊是名島ハイライトスポット巡り(2時間)』5,000円~
◆『ナイトツアー(1時間半)』4,500円~
◆『海上タクシー|伊是名島(仲田港)⇔伊平屋島(前泊港)間』お一人3,000円~(3名以上利用時)※チャーター、ボートフィッシングも可能
※上記のほかに、お一人様100円ずつ環境協力税が記載料金に加算されます。
※料金等は取材時(2018年11月)の情報です。変更となることもありますことを予めご了承くださいませ。
URL https://peraichi.com/landing_pages/view/hymarineizena
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