皆さんは「ケイビング」を知っていますか。洞窟の中を探検するアクティビティで、観光鍾乳洞とは違い、人ひとりがやっと通れるような真っ暗な穴の中を進んでいく、まさに大冒険ともいうべき貴重な体験ができるのがケイビングの醍醐味です。今回は石垣島でケイビングツアーを行っている「big beach石垣島」の大浜 之浩（おおはま ゆきひろ）さんにガイドしてもらい、洞窟探検の魅力を紹介していきます。

ケイビングツアーの流れは？

洞窟の場所は石垣島北部。ポイントまでは大浜さんに案内してもらいます。到着後は、ヘルメットやライト、肘・膝のサポーターなどの装備を整えて洞窟までは徒歩で向かいます。洞窟内はヒンヤリしていますが、つなぎを着て移動するので汗をびっしょりとかきますので着替えを準備しておきましょう。つなぎやヘルメット、ライトなど洞窟探検に必要な道具はすべて揃っているので、手ぶらで参加できます。

装備を整えて洞窟探検の前に、自然ガイド17年の大浜さんより注意事項や鍾乳洞の成り立ちなどを説明してもらいます。ケイビングツアーは観光客のほか、地元・石垣島の方の参加も多いといいます。また、参加者の経験値によって初級・中級・上級・超上級など難易度も準備しています。

洞窟の入り口があるのは森の中。観光鍾乳洞とは違い、整備されていない道なき道を歩いていくため、ガイドツアーじゃないとたどり着けません。足元に気を付けながら、急な斜面を降りていきます。最初から冒険感が満載でドキドキします。

鍾乳石が広がる洞窟の中へ出発！

鍾乳洞窟は、かつて海の中に存在していたサンゴ礁が地殻変動によって隆起したところに、二酸化炭素を含む雨水が石灰岩を溶かし空洞化して誕生します。つららのような鍾乳石「つらら石」や筍のような見た目をした「石筍（せきじゅん）」など、長い年月をかけて形成された独特な景観が広がります。洞窟内はひんやりとしていて少し空気も薄く感じます。普段は絶対に足を踏み入れることはない場所なんだと再認識させられ、緊張感が高まります。

天井から石灰岩を溶かしてきた雨水がぽたぽたと落ちてきます。この一滴一滴が途方もない時間をかけて鍾乳洞を作り上げていくと考えるだけで、ロマンを感じずにはいられません。

狭い洞窟では、しゃがんだり、体をよじらせたり、登ったり。時にはほふく前進で移動しながら進んでいきます。まさに全身運動で汗びっしょり。ぜーぜーと息切れしながらも、苦労して進んでいくと、急にひらけた場所に出ました。

冒険の終着点。神秘的な景色に癒される

この場所こそが大冒険の先に待っていた終着点。自然が作り上げたダイナミックで開放的な空間が広がります。狭い洞窟を抜けた先にこんな場所があるとは！驚きと共に神々しい景観に圧倒され、キョロキョロとまわりを見渡します。

天井にぽっかりと空いた穴から、陽の光が洞窟内に差し込みます。優しく包み込むような温かい光がとても幻想的です。沖縄には鍾乳洞がたくさんありますが、こういった光が差し込む景色を見られるケイビングツアーは石垣島だけ。

ここに到達するまでワクワクやドキドキ、疲労を感じつつも神秘的でロマンあふれる風景に癒され、そして確かな達成感も味わえる。このなんとも複雑な感情や感覚はケイビングでしか体験できません。最初は不安だけど、思い切って挑戦してみたら、そこでしか見られない景色が目の前に広がっています。遊び心を忘れた大人にぜひおすすめしたい「究極の冒険」へ出かけてみませんか。