伊江島の魅力は食にあり!
地元のつくり手を訪ねる工場見学と魅惑のグルメに出会う旅

沖縄本島から約30分で行ける沖縄の離島

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沖縄にはたくさんの離島があるけれど、気軽に旅情を味わうことができる島といえば、この伊江島を忘れるわけにはいかない。沖縄本島北部の本部港からフェリーでおよそ30分。穏やかな波に揺られるうちに、心地よい眠りに誘われる。目覚めた時には、船に乗り込む前とは違った、ゆったりとした時間が流れているのを肌で感じるのだ。

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フェリーは1日4便運航。本部港には駐車場があるし、事前に予約をすれば、車をフェリーに載せることもできる。地元の人はバス感覚で気軽に利用しているそう。日帰りで観光するには絶好の島だろう。この日は生憎の天気だったけれど、フェリーの窓から見える風景がなんだかノスタルジックで、旅情を掻き立てる。

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ぴょこんと尖った山が近づいてきたら、まもなく到着だ。沖縄本島の美ら海水族館からも見えるこの独特の形をした山が、通称、伊江島タッチュー(またはタッチュー)の名で親しまれている島のシンボル「城山」だ。

 

伊江島のシンボル「城山(伊江島タッチュー)」

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タッチューのユニークなところは、その見た目だけではなく構造にもある。古い岩盤が潜りこむように、新しい岩盤の上に乗っている「オフスクレープ現象」という自然現象によって形作られた山は、世界的にも例がないそうで、世界中から多くの学者が訪れるという。

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頂上までは約15分。標高 172 メートルの頂からは、島内を一望に見渡す青と緑のパノラマビューが広がっていた。たった15分程度でこの爽快感…。 なかなか味わえるものではないなと改めて思う。登山で一汗かいたら、タッチューから望んだ緑の原風景をくぐり抜けて今回の目的地を目指す。そう、今回は伊江島ならではの美味しいモノを探すグルメ旅なのだ。まずは地元のつくり手たちの元を訪ねた。

 

日本で一番贅沢な製法でつくる伊江島産ラム酒「IeRum(イエラム)」

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まず最初に訪れたのは、港から車で5分ほどの場所にある「伊江島蒸溜所」。以前、バーで飲んで、その華やかな香りが印象に残っていた、伊江島産のラム酒「IeRum Santa Maria(イエラム サンタマリア)」がつくられていると聞いてやってきた。

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案内してくれたのは、笑顔が爽やかな知念寿人(ちねん ひさと)さん。生まれも育ちも伊江島という知念さんは中学卒業後に島を出たそうだが、約10年前に、この蒸溜所を立ち上げるタイミングで島へ戻ってきたという。

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昔から水路がなく、水不足に悩まされていた伊江島にとって、水を原料とするお酒づくりは適さない環境といわれていたが、伊江島産ラム酒誕生のきっかけは、元々サトウキビの「バイオマスエタノールテストプラント」だったこの場所。2011年、その事業終了のタイミングで、跡地の利用方法を検討していたところ、長年の憧れだった「お酒づくり」を始めることに。その後、試行錯誤を重ね、地元で獲れるサトウキビだけを使った、伊江島産のラム酒が誕生した。

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世界中でつくられているラム酒の95%以上は、サトウキビから砂糖をつくった後に残る廃糖蜜(砂糖にならなかった部分)でつくられている。けれどもこの工場で作っているのは、生のサトウキビジュースをそのまま発酵させる「アグリコール・ラム」。

「この製法で作られているラム酒は世界でも5%に満たない。それほど贅沢なつくり方は、日本でも南大東島と伊江島だけ。サトウキビは痛みやすいので、アグリコール・ラムの場合、収穫してすぐに仕込まないといけないのですが、伊江島では唯一サトウキビの絞り汁を保管できる技術を持っているので、一年中、生のサトウキビからラム酒を作ることができるんです」と熱く語る知念さん。

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生のサトウキビジュースを発酵・蒸留させたあと、最低でも半年、樽熟成のものは長くて3年は寝かせるという。そこで、工場長の浅香真(あさか まこと)さんができたてのラム酒を試飲させてくれた。鼻に近づけるとツンとくる香りと、草っぽい風味がする。お酒としてはまだ若いけれど、青々と生い茂る、伊江島のサトウキビの力強さを感じさせる味がした。

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エンブレムの中央に描かれた三角模様は伊江島のシンボル「タッチュー」。四方に向かって伸びている模様は春の伊江島に咲き誇るテッポウユリがモチーフ。このテッポウユリは沖縄からヨーロッパへ渡り、今もなお聖母マリア(サンタマリア)のシンボルとして愛されているお花なんだとか。伊江島で生まれたこのお酒も、海を越え、多くの人に受け入れられますように。そんな想いから「IeRum Santa Maria(イエラム サンタマリア)」と名付けられたそうだ。

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スタイリッシュで透明感のあるボトルは、男性はもちろん、女性にも喜ばれそうだ。ゴールド(写真右)はオーク樽で熟成させた、まろやかな味わい。クセがなく、爽やかな香りがするクリスタル(写真左)は、ラムコークやモヒートなどカクテル向きだと、知念さんが教えてくれた。それぞれに違った楽しみ方があるから、どちらも欲しくなってしまう。

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こちらは伊江島蒸留所限定品。蒸留所に併設された直売店と、伊江港ターミナル内の伊江島物産センターでしか販売していないそうだ。加水する前の原酒なのでアルコール度数は、ゴールドやクリスタルが37%に対して63%! ここでしか買えないと思うと、ついつい欲しくなってしまうもの。数に限りがあるようなので、見かけたときはぜひ買っておこう。

 

幻の牛「伊江島牛」のサーロインステーキに舌鼓

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工場見学を終えるとお腹が空いてきたので、蒸溜所から車をさらに東に走らせ「YYYCLUBイエリゾート」へ。目的はもちろん、この旅の大きな楽しみのひとつ「伊江島牛」のランチ。

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メニューをみると伊江島牛ハンバーグ、伊江島牛シチュー、伊江島牛カレーなどなど、伊江島牛尽くしの料理がずらり! 思わずゴクリと喉が鳴ってしまう…。メニューを見ながら悩んでいると、スタッフの方が「お肉そのものの旨味を味わうのであれば、伊江島牛サーロインステーキがおすすめですよ」とのこと。お値段は5500円とランチにしては高級だけれど、奮発してオーダーすることに。

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伊江島牛は、自然豊かな伊江島でのびのびと育てられた和牛。ミネラル豊富な牧草や、さとうきびをエサとして、広々とした牧場で育てられているのでストレスが少なく、上質な肉質の牛へと成長するといわれている。さらに希少な「幻の牛」としても名高い。なぜなら、伊江島牛のほとんどは松坂牛や神戸牛などの有名なブランド牛の素牛(繁殖牛として飼養される前の子牛)として出荷されているから。伊江島で飼養される伊江島牛はとても少ないのだそうだ。

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食べてみると、口の中でとろける柔らかさ。霜降り肉なのに脂身がしつこくないし、噛むごとに甘みを感じる。一口、もう一口と食べているとあっという間に完食。サーロインステーキを選んで間違いなかったと、大満足でレストランをあとにした。

 

100%伊江島小麦を使った島人気のお菓子「ケックン」

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ランチの後は、島のお土産を買いに、伊江島港ターミナル前にある「いえじま家族直売店」へ。ここで案内してくれたのは、株式会社 いえじま家族の田中祥一郎(たなか しょういちろう)さん。沖縄土産として人気上昇中のお菓子「ケックン」を販売する会社「いえじま家族」の広報担当だ。

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「ケックン」は、伊江島産の全粒粉を使用した小麦チップス。原料となるのは1等にランク付けされた高品質の伊江島小麦だという。いえじま家族では、この小麦を精麦したあと、「気流粉砕機」という独自の機械にかけ、麦へのダメージが少ない形で細かく粉砕していく。それによって、ミネラルなどの栄養価が豊富に含まれる、ふんわりとした小麦粉に仕上がるのだそうだ。

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もともと、そばの麺をつくる過程でアイディアが生まれたこのお菓子。1ミリの厚さまで薄くのばした生地を、食べやすいサイズにカットし、180度の油でサッと揚げる。パリッとした軽い食感で、食べ始めるととまらない、やみつきの旨さだ。味の種類は「塩」と「スパイシー」、「黒糖シナモン」の3種。なかでも黒糖シナモンが一番人気なのだとか。

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伊江島産小麦100%で作られたそばは、同社が運営する「食事処 いーじまとぅんが」で食べることができると田中さんがおしえてくれた。太めにつくられた麺は、弾力があって食べ応え満点。そば麺は「いえじま家族直売店」で販売しているので、お土産に買って帰ろう。

 

グルメだけじゃない、伊江島の魅力

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観光地化されていない伊江島は、のどかな沖縄の原風景が残る島。海や山などの景勝地があり、神聖な場所と言われる場所も点在している。サイズ感がちょうど良いので、半日もあればグルっと回ることができるのも魅力。ひととおり伊江島グルメを味わったあと、島定番の観光スポット「ニャティヤ洞」に立ち寄ってみた。戦時中、島民の防空壕として利用されていた場所だ。

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駐車場から海側に階段を下った先には、多くの人を収容したことから「千人洞(ガマ)」とも呼ばれる広い洞窟が広がっていた。静寂の中、穏やかな波の音だけが響く空間。岩場から漏れる陽の光が、不思議と神々しくも思えてくる。さらに洞窟を奥へ進むと、青い海を覗く大きな穴が。角度によっては、ハートの形にも見える。

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洞窟の中央部分にある霊石「ビジル石」は、女性が持ち上げると、子宝に恵まれるという言い伝えがあるそうだ。お腹に赤ちゃんがいる人が持ち上げて軽いと感じれば女の子、重いと感じれば男の子なのだとか。不思議なパワーをもらったような感覚になって、港へ向かった。

 

旅情感あふれる島、伊江島へ。

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旅の最後に伊江ビーチでのんびり。美しい海を眺めていると、ついつい時間が経つのを忘れてしまう。伊江島ならではの魅惑のグルメを巡る旅、美しい自然の中で丁寧に育まれた島の恵みは、どれも滋味深い味わいで、旅の思い出をより一層色濃くするものばかりだった。グルメのほかにも、自然豊かなビーチやタッチューなど南国気分を盛り上げてくれる景勝地も多い。さて、そろそろ帰りのフェリーの時間だ。日帰りでも充分旅情を味わえる島、伊江島。ぜひ足を運んでみてほしい。

Information 基本情報

伊江島蒸留所

住所 沖縄県国頭村伊江村字東江前1627-3 株式会社伊江島物産センター伊江島蒸留所
TEL 0980-49-2885
備考 定休日:不定休 営業時間:9時~17時 見学所要時間:約30分~60分
URL http://ierum.ie-mono.com

YYYCLUBイエリゾート メインダイニング PARADISE(パラダイス)

住所 沖縄県国頭郡伊江村東江前1965番地
TEL 0980-49-5011
備考 営業時間:朝食7時~10時、ランチ 11時半〜14時、ディナー 18時〜22時 (L.O 21時)
URL http://ie-resort.com

いえじま家族直売店

住所 沖縄県国頭村伊江村字川平310番地
TEL 0980-49-3886
備考
URL http://iejimakazoku.jp/

食事処 いーじまとぅんが

住所 沖縄県国頭郡伊江村字川平519-14 2F
TEL 0980-49-5531
備考 定休日:火曜日 営業時間:11時〜22時(L.O 21時)
URL http://iejimakazoku.jp/index.html

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