海洋深層水のエネルギーを感じられるカフェ

「琉美(くみ)の島」と称され、かつて琉球列島で一番美しいと言われた久米島。周囲を珊瑚礁で囲まれており、島全体が県立自然公園に指定されている自然豊かな島です。
その自然豊かな久米島で、人間の体に不可欠な、ミネラル分を多く含み清浄性の高い水が取水されていることをご存知でしょうか？その水は、水深200m以深の深海から取水される海水で、「海洋深層水」と呼ばれています。
その海洋深層水を体感できるお店として最近話題となっているのが、「くめじまーるCafé」です。

ところで、海洋深層水って？

太陽光が届かない水深200m以上の深海の海水、と定義されています。しかし久米島ではさらに深い、水深612mから取水しているというから驚きです。
海洋深層水には、「冷たい」「栄養が豊富」「きれい」という3つの特徴があり、久米島では、この特徴を活かして様々な取り組みを行っています。

海洋深層水を使った様々な取り組み

取り組みの1つとして藻の栽培が行われています。
「藻はこれから伸びていく分野です！」とくめじまーるcaféマネージャーの村主 浩明（すぐり ひろあき）さんは熱く語ります。藻から医薬品や食品、化粧品などの原料になる成分や色素が採れるため、ここ久米島で栽培を始めたそうです。
久米島に降り注ぐ太陽と海洋深層水が、藻の栽培に有効活用されています。

「このパイプを触ってみてください」と村主さんが土を掘り起こします。
畑に埋められたパイプに触ってみると、とても冷たい！
「海洋深層水を流すことで土壌を冷やし、これまで夏場には出来なかった葉野菜を、効率的に栽培、収穫できるようになりました。カフェの食材もここの畑で育てています」と、村主さんは誇らしげに教えてくれました。
他にも、冷たい海洋深層水を利用して電力に変換する、再生可能エネルギーの実証実験も行っています。このように久米島では海洋深層水を使ったさまざまな取り組みが進んでいます。

青い屋根が目印の「くめじまーるCafé」

さて、今回の目的地「くめじまーるcafe」は久米島東部の美しい海岸線沿いに建っています。海に目を奪われて通り過ぎないように注意してくださいね。青い屋根が目印です。

広々とした店内にはテーブル席と、外の景色が見渡せるカウンター席、そして店の奥にはキッズルームとして使える可愛いテントが設置されています。

くめじまーるCaféでは海洋深層水を使って仕込んだメニューを楽しむことが出来ます。まずご紹介するのは「HATENO BLUEソフトクリーム」。東洋一美しいと評される久米島の「ハテの浜」の海をイメージして作られたそう。
先ほど見せていただいた藻の成分であるスピルリナから採れた天然色素を使っているので、鮮やかな青色をしています。それでは早速、いただいてみましょう！ 

…しあわせ。

滑らかな舌触りで甘さ控えめのソフトクリームは、さっぱりとしたバニラ味！口の中で儚く溶けていきます。ココア味のワッフルコーンも美味！あっという間に完食してしまいました。

「なるべくたくさんの味を楽しみたい！」甘いもの好きの想いは同じです。
こちらのセットでは、お店のロゴマークをあしらったミルフィーユパンケーキと、カップに入ったHATENO BLUEソフトクリームを両方いただけます。
可愛い見た目とは裏腹に、お店で焼き上げるパンケーキは意外とボリューミー！しっとりとした食感のパンケーキと、優しい甘さのソフトクリームの組み合わせに、舌が大喜びしているのが分かります。

カフェメニューの最後にご紹介するのは、オリジナルのレモンスカッシュ「くめじまーるスカッシュ」です。色鮮やかなバタフライピーのハーブティーをレモンスカッシュに注ぐと、青色から徐々に紫色のグラデーションになって行きます。見た目も味も、本当に美味しい！

店内の一角には、海洋深層水の関連グッズや、島内の特産物を販売しているお土産スペースもあります。商品は常に入れ替わるので、ここでしか買えない貴重な島の特産品に出会えるかも？？

久米島初のクラフトビール「KUMEJIMA 612」

「くめじまーるCafe」でいただけるのはスイーツばかりではありません。なんと海洋深層水を使った、久米島初のクラフトビール「KUMEJIMA 612」も味わうことが出来ます。ブランド名の612とは…お気づきですよね？久米島の海洋深層水が612mの深さから取水されていることに由来しています。

ドイツ人醸造家とコラボレーションし、深海の濃い青をイメージして作られた「RED & BLUE」は、光にかざすと赤みがかるという個性溢れたビールです。どっしりとした骨太な味わいが印象的。
「HATENO BLUEソフトクリーム」と同じく、スピルリナから採られる青色色素を使っているそうです。空の青さに映える！

フルーティーな香りと苦味が特徴的な「THE BOTTOM」は、海洋深層水由来の硬水を使っており、鮮烈な香りが口の中に広がります。ビール好きにはたまらない！
どちらも要冷蔵のため、温度管理された場所でしか飲めない希少なビール。久米島滞在中に、ぜひ味わってほしい！スイーツも、クラフトビールも楽しめるなんて幸せ過ぎます！

くめじまーるCaféでは、お店の前に設置された蛇口から海洋深層水に触れることができます。勢いよく流れる海洋深層水に触れていると、自然との「つながり」を実感します。

島と海と太陽の力を取り入れたスイーツやクラフトビールは、美味しいだけではなく、ふと立ち寄った私たちに地球のエネルギーを分けてくれるようで、とても贅沢な時間を過ごすことが出来ました。くめじまーるCaféの眼前に広がる海と、ゆっくりと流れる雲を眺めながら、心と体に地球のエネルギーが少しずつ満たされて行くのを感じました。