3つの小さな島々と橋で結ばれている宮古島は、密度の濃い旅をコンパクトに楽しめるのが魅力のひとつ。
思わず見とれてしまう青い海やおしゃれなカフェ、心惹かれる手技の工芸品など、欲ばりに楽しむならこの島がおすすめ。
透明度が高い海の上を走って池間島へ
宮古島空港から最初に向かった池間島は、宮古島のもっとも北に位置する島。
サトウキビ畑の間を爽快に走り抜けると池間島へ渡る橋が見えてきた。
ブルーのグラデーションが広がる海はとても美しく、海中では鮮やかな色のサンゴ礁群が広がり、海水浴やダイビングを楽しむ人も多い。
池間島は、島の一周が6キロほどの小さな島。
手付かずの自然が多く残っており、インスタ映えするスポットもいっぱい!
中でも通称「池間ブロック」と呼ばれているフナクスビーチは、シュノーケルスポットとしても有名で、カラフルな熱帯魚たちの世界を覗くことができる。
フナクスビーチの近くには、クジラの形をしたユニークな岩も。
口をあんぐりと開けているように見えて、なんだかかわいらしい。
のんびり時間を忘れて、ただ海を眺めるなんて、本当に贅沢な気分だ!
島に伝わる伝統美に触れる
池間島で海の美しさにうっとりした後は、島の織物を見学できる施設があると聞いて立ち寄ってみた。
宮古島には、苧麻(ちょま)という植物の繊維を紡いだ糸で織った伝統の織物がある。
「宮古上布」と呼ばれ国の重要無形文化財に指定されており、琉球王国時代は、王府から高い評価を受けていたそうで、現在も地元の女性たちが丁寧に糸を紡ぎ、美しい反物を織り続けている。
宮古島市体験工房では、織り子さんたちが使っている機織り機でマット織り体験ができる。
「はじめは手間取るかもしれませんが、次第に体が覚えていくので焦らないでくださいね」と講師の武富さん。そのやさしい声に心を落ち着かせ、カッタンコットンとゆっくりだけど、手を進めていく。
最初はぎこちなかった手さばきも、少しずつスムーズに動かせるように。
想像していたより難しくなかったので、ちょっと安心した。
60分ほどで両端のフリンジがかわいいマットが完成。糸の色使いによっては、カラフルでポップな仕上がりになるので、自分用にはもちろん、家族や友人へのおみやげとしても喜ばれそうだ。
小さな島の癒しスポットを発見!
宮古島市体験工房を後にして、次に目指したのは島の南西にある来間島。
ブルーのグラデーションが広がる海の上を飛んでいるかのような気分で来間大橋を渡ると、小さな島に到着。150人ほどが暮らしていて、カフェや雑貨店などが集まっているので旅行者にも人気が高い島だ。
立ち寄ったのは、カフェ「島茶家ヤッカヤッカ」。
海風が通り抜ける店内は、とても気持ちのいい空間。
本を読んだり、音楽を聴いたり、のんびりとくつろぐのにぴったりだ。
オーナーの大島香織さんは、愛知県出身。12年前にこの島に移り住んだという。
「来たばかりの頃は、島の行事がたくさんあって大変なこともありましたが、地元の人たちに島に伝わる踊りを教えてもらったり、ふらっと歩いて行けるビーチで気ままに泳いだりと、ここでの生活を楽しんでいます。来間島は人工物も少ないので星がとってもきれいに見えますよ」と笑顔で話してくれ、青い空、青い海だけではない島の魅力を教えてもらった。
澄んだ夜空にきらめく星が瞬くことを想像しただけで、胸が高鳴る。夜も訪れてみたいと思った。
ヤッカヤッカの人気メニューは、宮古牛をじっくり煮込んで作った「宮古牛のコク旨カレー」。
とろけるようにやわらかいお肉には甘みがあり、とってもおいしい!
他にもココナッツの甘い風味が魅力の「ココナッツとチキンのまろやかカレー」、マンゴーを使ったスイーツやドリンクもおすすめ。
無料で渡れる日本一長い橋を海上ドライブ
来間島でお腹を満たした後は、無料で渡れる橋としては日本最長の伊良部大橋をドライブ。
全長3540メートルの橋は平坦ではなく、真ん中の部分がフェリーが通れるよう高くなっているのが特徴。
そのため、車を走らせると登っていくような感覚が味わえるのも楽しい。
橋が開通してからは、気軽に訪れるようになった伊良部島では、新しいお店を巡るのも楽しみのひとつ。
でもそれ以上に魅力なのが、島の美しい風景。周辺を一望できる牧山展望台や遠浅の浜に無数の大岩が転がる佐和田の浜など、島には感動的な風景がたくさんある。
SNSで発信したくなるほど魅力的なのが、島の北部の白鳥崎とフナウサギバナタの間にある「シンビジ」と呼ばれる穴場スポット。車を停めて、細い道を歩くこと5分。突然、現れたのはエメラルドブルーの海に続く階段。
このまま降りると海の底にある竜宮城へ行けちゃうかも?! なんて妄想を膨らませながら、一枚パチリ!
そして、ひと足伸ばして隣の下地島へ。
伊良部島と同じく、大きな岩があったり、複雑な地形が魅力の島だ。
中でも「帯岩」の迫力には驚いた。1771年に八重山地方を襲った明和の大津波で、陸に打ちあがったと言われ、いつの頃からか島民たちは大漁祈願祭や航海安全、家内安全を願ってお参りするようになり、現在では島の守護神として祀られているという。ちなみに岩の真ん中あたりがややくぼんでいて、人が帯を締めている姿に見えることから、「帯岩」と呼ばれるようになったそう。
帯岩から近い場所にあるのが、シュノーケリングスポットとしても有名な中の島ビーチ(通称:カヤッファビーチ)。
ゴロゴロした大きな岩が見られ、眺めているだけでもなんだか楽しい。
下地島は、夕日や星空を眺めるのに最適な場所なので、夕暮れどきや夜に訪れるのもおすすめだ。
小さな島は、それぞれに特徴があり見どころも満載。
巡る順番が異なれば、時間帯も変わるので、違った色の風景が見られるはず。
自分のお気に入りの巡り方を見つけてみよう。